「寂しいんだよ」






愛情なんて不確か。
キスをしたら、または体を重ねたら心までものにしたと人は勘違いする。




「………………。」

情事後ということもあり、今はお互いに寄り添って寝ていた。
先程まで煩わしいと感じていた熱も下がり、よく寝れる環境ができている。
それでも骸は眠れなかった。

目の前でぐっすり寝ている彼。
なんだか羨ましく思えて、彼の頬をつんつん突っついてみた。
ついでに名前も呼んでみる。




「白蘭……。」

「………………。」

しかし返事はない。

少しムッとした骸は、白蘭の胸板に頭をのっけて腰回りをくすぐった。
すると眉がピクリと動いて白蘭の目が覚める。

しかし起こしておいて何だが、特に用はない。
何か話があるのかと、白蘭は不思議そうに見てくるが、骸は何も話さない。




「……………。」

「……………。」

一言も喋らず、お互いをじっと見つめるだけの時間が過ぎる。
これは他人としたことはない。
白蘭が初めて。

体を重ねることなんて飽きるほどやってきた。
好きでもない相手とのキスはNGと聞いたが、実際はそんなことを言ってられない。
他人との付き合いで、恋人らしいことは一通りしてしまった。
なので本当に愛しい人と一緒にいても、何が特別なんだと疑問に思ってしまう。




「…寝れないの?」

「いえ‥。」

「じゃぁどうしたの。」

「何でもないです。」

骸は恥ずかしくなり、逃げるように寝返りをうって白蘭に背を向けた。
変だと思われているだろうか。
それとも起こされたことに怒っているか。

骸は背中に視線を感じながら、必死に言い訳を考える。
すると白蘭が近寄ってきて骸の背後にぴったりくっついた。




「で、どうしたって?」

白蘭の手が肩に置かれたと思ったら、静かに後ろに引っ張られた。
そして仰向けに倒され、顔の輪郭をなぞられる。




「そんな…たいした事ではないので、」

「嘘。
自分で解決できないことでもあるんでしょ。」

「……………。」

「だって君の顔に書いてあるから。」

「何も言ってませんよ。」

「フフ、隠し事ができないのは自覚してる?」

「…っちょ、びゃくら。」

「さっきの仕返し。」

くすぐりなんて可愛いことしてくれちゃってさ。

白蘭は骸の腰をくすぐる。
そして脇の下や膝などにも手を伸ばした。
意外とくすぐられるのが弱いのだと改めて実感してしまう。
骸は思わず高笑いをしてしまい、恥ずかしくなって白蘭を枕で殴った。




「骸君ってば変な声…いてッ」

「うるさいうるさいうるさい!」

「はははっ」

「もう笑うな!」

骸は枕で白蘭を叩きつける。
だがおもしろいことに、表情は満面に近い笑顔。

馬鹿にされたはずなのに、何故か心は晴れた。






(セックスは愛情の最終段階)
(なんて、誰が決めたの?)





こうやって馬鹿をやるのも1つの愛情表現なんです(力説)
KAT/TUN曲お題にて更新作品。

08,08/30[完成]
08,12/29[更新]
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