I shall be released







※殺生有り




これが当たり前の結末。
想いを残したら、生まれ変われない。






I shall be released









「ゴメン、ゴメンね。」

彼がそう呟く。
何故総大将である貴方が謝らなくてはいけないのかがよくわからなかった。
黒と赤。
世間で言われる“トランプの色”
そういえば、貴方は僕の色は青とか言っていましたね。

儚い、辛い、なんて甘いことは言わない。
これが貴方の選んだ道、僕にとっては今日が“別の道”になる。




(何故、僕を見ない)

昨日までは嫌というほど縋り付いてきたくせに。
貴方という人はよくわからない。
普通、こういう時こそ抱き締めてくれるんじゃないんですか。

彼が握っているのは赤い薔薇。
その刺々しい体で開花する美しき、赤。








ふと、骸から手が上がる。
そして言った。
貴方にそんな目は似合わない、と。




「……………。」

そんな目?
僕はどうしたの?
何で今にも………。

景色が揺らぐと同時に唇に何かが触れた。
軽く触れただけの口付け。
心成しか、少し冷たかった。




「骸君……。」

僕が触れる度に蒼い髪が乱れる。
そうだ、この髪は。
僕の我儘で伸ばされた蒼色。
懐かしい、そう思いながら骸君の髪を撫で続ける。

最初は物凄く綺麗だと思った。
「好き」と言えば「愛してる」と返ってくる。
もう取り返しがつかないのに、今ではその頃の幻想に溺れていた。




「…びゃ、く…ら…?」

名前を呼ばれ、少し身構えてしまった。
ああ、目が合ってしまった。
現実を見たくないから視線を反らしていたのに、君はひどいね。

君の赤も。
君の黒も。
君の蒼も。
全部全部好きだった。
まるで宝石みたいで。
空気にふれたら汚れてしまいそうで。
それを独り占めできていた僕だけの君。










「僕は、
大丈夫だからね。」

言葉は届いたのだろうか?
不安そうに顔色をうかがうと、安心したように瞳を閉じた。
そして君はつぶやいた。
もう逃げたり隠れたりはしない。




「……一思いに…散らして‥。」

貴方への想いが身籠ったまま朽ちてゆくだけなら。
いっそ一思いに撃ち殺してほしいから。

僕はいつものように挑発をして不敵に笑って見せた。



(引き金を引いて)


08,08/17
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