私のツンデレ王子様



私の王子様。


かっこよくて素敵な王子様。

でもひとつだけ欠点がありました。


*ツンデレ王子様*



「サスケ君!!今日はどちらにお出かけだったかしら?」

私、サクラはロウス国のお姫様。
そして今私が話しかけているのは私のフィアンセ-婚約者-の王子様、サスケ君。
サスケ君の家と私の家は代々フィアンセになる決まりになっているの。
でもね、私そんな決まりではなく本気でサスケ君の事が好きなの!
それにサスケ君も私の事・・・

「ナリビア国だ・・・サクラ」


「ん?なぁに?」

急に引き寄せられて、
ちゅっ

キスされた。

「ササ、サスケ君っ?」

サスケ君はふっと笑うと

「おはようのキス、してなかったから。」

だって!!

あぁ、幸せ・・・

でもこれは二人の時だけ。
皆がいると・・・




「おはようございます、王子、姫様。」


「おはよう。」


「おはよう!爺や」


「本日、王子と姫様は、ナリビア国へ出発します。途中セザンヌ国の別荘で一泊し、翌日出発いたします。ナリビア国に着くのはその日の夜になるかと。」


爺やは私たちが生まれる前から執事をしてるベテラン執事なの。

私たちのお爺ちゃん的存在。

「朝食は移動中にとっていただきます。」


「あぁ。」

「うん、わかった!!」

いつもみたいに部屋で二人きりで食べたかったなぁ・・・

カラカラカラ・・・
馬車は今頃お城の門をくぐったところ。
一番前の馬車には私のお父様とお母様、サスケ君のおばあ様、爺やが乗っている。
私とサスケ君そして食事係の子の三人は前から三番目の馬車に乗っている。

「サスケ様、サクラ様、朝食でございます。」

目の前には、今朝お城で穫れたばかりの卵を使ったふわふわオムレツにこれも今朝城下町の畑で穫れたレタスにトマトのモッツァレラチーズの乗ったサラダ。

私今ダイエット中だから朝はこれだけ。
サスケ君も私のために同じ量しか食べない。

しかしこの食事係の子は昨日入ってきたばかりの、いわゆる新入り。

サスケ君にラム肉の柚子を効かしたソテーを出す。

「サスケ君・・・?」

でもサスケ君は黙ってそれを食べ始めた。

どうしたのサスケ君?
もしかしてもう耐えられないとか・・・?

「サスケ君・・・ごめんね、私のダイエットなんかに無理やり付き合わせて・・・本当はお肉食べたかったよね・・・」

私が言うとサスケ君は普段ならありえない事を言ってきた。

「黙れ、食事中だぞ。・・・うざい」

それはまるで、大事に大事にしていたティアラを知らない奴に粉々にされたような・・・

私の目尻から綺麗な透明の欠片がこぼれ落ちる。
自分の意志ではない。
そう、この眼が勝手に潤んで落としたのだ。


「・・・」

カラカラカラ・・・

「サスケ様、サクラ様、セザンヌ国に到着しました。」

馬車が止まり、爺やの声が聞こえた。
この声が、今は私を救う天使の声に聞こえた。


「王子と姫はこの部屋でお休みになっていただきます。」


「うん。ありがとう爺や!」

私はこぼれ落ちた雫を拭って必死で笑顔を作って言った。
爺やは優しく笑うと一礼して部屋から出て行った。

パタン、とドアの閉まる音がする。

サスケ君はあれからずっと黙ったまま。
・・・やっぱり怒ってるのかな?
サスケ君にかける言葉が見つからない。

「サクラ」

二人ともその場に立ったまま。
急に名前を呼ばれて私は驚く。

「サスケくっ・・・!!」

サスケ君の名前を呼ぼうとしたらぎゅっと抱き締められた。

「悪い・・・あんな事、言うつもりなんてなかった」

サスケ君、もしかして泣いてる?
顔を見ようとサスケ君から離れようとしてみるけど、さっきよりも強い力で抱き締められた。

「サクラがいないと駄目なんだ・・・俺にはサクラがいなきゃ」

この時、私は初めてサスケ君の態度の特徴に気付いた。
サスケ君、ツンデレだったのね・・・
10年以上一緒に居るのになんで気がつかなったんだろう?

「大丈夫よ、サスケ君。私にだってサスケ君しかいないんだから。」

耳元で囁くとサスケ君の耳は真っ赤になって。
見えない顔だってきっとルビー色。

お母様のつくるタルトのような甘い接吻-キス-を繰り返し私達は夢に落ちていく―

*****
チェリー様へ捧げます。
リクエストを頂いた時は学パロを予定していたんですが、最近ボカロの"サンドリヨン"にハマってしまい←
王子×姫パロになりました。
最後のサスケ君なんか可愛くなっちゃったな・・・
この作品はかなり時間をかけて書きました。
王宮の生活がよくわからなかったので。
最終的には御伽噺を参考に書かせていただきました。
苦情、返品受け付けます(/_・、)
この度はリクエストありがとうございました!

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