@cpサス水


※酔っぱらいには要注意※



「おい、飲み過ぎだろ!」

「へっ、ボクの心配は結構、ああそれとも自分がお酒弱いからボクに負けるのが怖いんだ?」

「なッ、何言ってやがるこの酔っ払い!何に負けるんだっつの!」

「んじゃあ香燐、飲み比べしよう」

「ばっ…かじゃねーの!」

「へぇ〜、やっぱ負けるの怖いんだ」

「ちっげーよ!よし、やってやろーじゃねぇか!それ持てコラァッ」

「はいはい」


並々と注がれてる生ビール。
それを手に持ち顔を見合わせる。

「お前なんかに負けねぇ、河童が茹で河童にならねぇように気を付けやがれ」

鼻で笑う香燐。
まったく強がっちゃって

「君こそ無理しない方が良いんじゃない?どこが頭でどこが顔だかわかんなくなっちゃうよ」

そそ、髪赤いんだから。

「んだとコラァ!?」


そのまま同時にぐいっと



「くぁー!どうだ!」

「ふー…オヤジ臭いよ香燐、これくらいなんてことないからね」

「誰がオヤジだてめえ!」

「おい、香燐、水月、もう止めといた方が良いんじゃないか?」


止めに入ったのは重吾。

「一応俺達未成年だし…」

「ああ?お前も飲めよ!重吾っ」

「いや、俺は…」

断ってるのにまるで無視。
並々と注ぐ香燐。


「ちょっと、無理強いは良くないでしょ君…」

「るせぇなあ、てめえも飲めよ河童!」

「いや、河童じゃないし…、何、君もしかして酔ってる?うわっめんどくさいなぁっ」

なんだとーと殴ろうとしてくる香燐。
今日は避けてやろうとひょいと立ち上がろうとした瞬間…



「っえ、‥あれっ」

ふらっ‥

ばたんっ!


えっ、えっ、なになに

パニックなボク。
え、だって立てないとか


「わっ」

しかも殴られるし


「おい」


「「?」」

と、寸前で何かが水月と香燐の間に入った。



「さ、サスケっ」

はし、と香燐の手を掴んで下ろす。


「やめてくれ‥」

「え、サス‥」

(ちょ、サスケ!?)


表情には出さないもののちょっとイラッとする水月。
何せサスケの表情が普段見せないものだから。


(それを香燐にィ?ちょ、なにそれサスケ!?)


いつもより沸き上がる感情の量が多いことに本人は気付かず

ふつふつ沸き上がるどす黒い感情に眉間にシワを寄せた。


(ていうか香燐から手ぇ離せば?)

いらいらいらいら‥


「ちょっと、サス」


「俺のだ」


「「「え」」」


注がれた酒を自分のペースで飲んでいた重吾まで固まる。

「サスケ‥?」

「ばばばばばかやろう!ウチがいつお前のになったってんだッべ、べつにそんな、この‥っ」

「…………」



目頭が熱い。

サスケ?何言ってんの?
ボクはこっちじゃないか
なんだって香燐なんかに…

もしかしてボクとは遊びってやつ?


「ぅっ…」

「っ水月…」

重吾が心配して声をかけた。

ぽろぽろ瞳から溢れ出したそれは止まらない。


(あれ…なんでボク泣いて…)

意識とは別の場所にもう一人冷静な自分がいる。

そして感情的になってる自分。


「ぅう…っサスケのばかぁッ」


思いっきり叫んでやった瞬間かその少し前から

身体が人肌に包まれた。


「誰がバカだよ、何と勘違いしてんだお前…」

「ぇ?」


「香燐、水月にべたべたするのやめろ、こいつは俺のだ」

「はっはあッ!?誰がそんな河童にべたべたするかよ!」

「重吾も…」

「俺もなのか!?」

いや俺は関係ないだろ

そんな言葉は軽くスルーして水月に向き直るサスケ。


「お前も…、何俺以外のやつのところに行ってんだよ」

泣くな。


舌先で涙をすくって水月の表情を確認してから唇を寄せた。


「んっ!」


唇、頬、額 、瞼、ゆっくり唇を滑らせてキスの雨を降らせた


「んぁ‥っ、ちょ、サスケ、香燐と重吾が…」

「うるさい…お前しか見えない」

「えっ…っや、なに言ってん、の、んんっ」

嬉しいけど…!

え、いや、じゃなくて…その…


(ああもうこれじゃ香燐みたいじゃないか!)


でもなんか…


「水月…好きだ」


「ふぁ‥っ、ん、だめ、そこ」


甘えたい‥かも。


「水月‥」

服越しに胸元を撫でられびくりと反応する

「ふっ‥」

段々正常な脳が欲に飲まれて行く。
繰り返される口付けに、周りが見えなくなってきた。


「ぁ‥」


あーぁ、もうめんどくさい。



水月は残り僅かな理性にまたねと手を振り
後のことを考えることを取り敢えずやめた。


(なぁんか、サスケもいつもよりやさしーし)





「水月、愛してる」


「あ、ぅ‥ボクも…」


自分から唇を寄せた。



「…お前は可愛いな」

「えへへ」




「おい、おいおいおい」

「……」


「ウチらがいること完全に忘れてねぇか」

「…、あ、あー、片そう、な、香燐」

「ウチらがやんのかよ!?」

「……元はと言えば香燐が買ってきたんじゃないか」

「…くっそー」


しぶしぶ机の上に散らばった缶や食べ終えた皿を下げ始めた二人。

「て、いうかこんなとこでおっぱじめたりしないだろうな!?」

「それは…困る」

「でも止めたらそれはそれでめんどくさそうだな…」


恐る恐る見やる…


「ん、ばか、やめてって、くすぐったい」

「お前が感じやすいだけだろ?」

「やっ、誰のせいだろねそれ」


酔っぱらいが二人
いちゃついていた。


「も、まじ良い加減にしろぉおおおおお!!!!」



-終-
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