@cpサス水


もうすぐ12月。
景色はだんだんそれに向けてネオンだとか装飾が増えている。


「えーと?後は…、ああうん、石鹸だね。‥まったく。」

そんな中ぶつぶつ文句を言いながら似合わない買い物カゴをぶら下げて歩き回る白色の頭。

「買い物当番とか…、寒いし‥」

お、メールだ。

片手を空けて携帯を開く。

「ヘッ、やっぱりね、サスケだ」



fromサスケ
sub(non title)
――――――――――

今どこだ

――――――――――


(短ッ、いや、知ってんだろボクが今日買い物当番だって)


toサスケ
sub RE:
――――――――――

いつものスーパー

――――――――――

男子のメールなんてこんなもんだよね。


簡潔に済ませて携帯を閉じた。


(さてと、石鹸買ってとっとと帰ろうかな)



「わっ」

またしても着信。



fromサスケ
sub RE:
―――――――――――

今店にいる
どこだ?

―――――――――――


「え‥ちょ…」


キョロキョロと辺りを見回すと同じようにしている黒髪を見つけた。



toサスケ
sub RE:
――――――――――――――

寒そうな格好。
慌てて飛び出したみたい

なにさ
そんなに僕に会いたかったの

――――――――――――――


送信。




あ、早


あれ?着信だ


「目の前だよサスケ」

気付いた彼が歩み寄って来た。


「そうか、今日当番か」

「知らなかったのかい?」

ちら、とカゴを見てから気付いたらしいサスケ。

「ふ、似合わねぇな」

「うるさいよ、失礼な。君程じゃないさ」

「貸せよ」

「え?」


きょとんとしてる内に奪われたカゴ。

(あ、持ってくれたんだ‥)


「やっぱり似合わない」

「お前に言われたくねぇな」

ちょっと緩んだ口許に気づかれないように結び直して口を開けた。

「ねぇ寒そうだけど平気?」

「暑かったんだよ」

「へぇ〜」

「後は?」

「石鹸」

「そうか」

それ買ったら終わりかぁ‥
ちょっとつまんないかも。

「ねぇ、石鹸てどこにあんだろね?この店見つかんないんだよね」

「…………」

サスケと目が合う。
へらりと笑った水月に鼻で笑って返し

「さぁな、別の店でも見てみるか?」

「そうしよっか」

お互いにこの店の石鹸の場所なんて知ってたけど。

ちょっと寄り道。


「じゃあ取り敢えずこれだけ買わないとね」

「ああ」


レジは空いていて並ぶこともなくすんなり会計を始められた。


(あー‥重吾にメールしとこ‥ん?)


新着一件。


(あれ、気付かなかったな…)


受信ボックスから開いて内容を確認。



「ん?」





fromサスケ
sub 悪いか
――――――――――――


会いたかった。
んで急いだら上着忘れた

――――――――――――



「‥なんだそれ」


レジにカゴを置いた彼の背中に
思わず笑んだ。



-終-



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