@cpサス水(学生)



「くぁぁ〜、いやぁ授業ってだるいもんだね」


「寝てただけのお前が何言ってんだ」

呆れた顔の君。

ちょっとー…そんな顔しないでくれないかなあ


「えへへ、サスケ、ご飯食べ行こう」

「学食か?」

「ううん、広場」

「はあコンビニか。金無いんだな‥」

「ちょ、ボクが学校の広場指定する度にその反応やめてよ!確かにボクはお金無いけど!」

「なんであんな働いてて無くなんだよ、謎だなオイ」

「あーあー、うっさいうっさい、いーよじゃあボクは別の奴と食べるし!鬼鮫センセんとこいこっかな‥」

「‥おい、お前。そっちこそそうやって拗ねて鮫鮫言うのやめろよ、どんだけ好きなんだ」

「ぷっ‥なんだよ鮫鮫って…サスケってセンセの話すると絶対不機嫌になるよね」

「うるさい、広場でもコンビニでも好きなとこ行ってやるから行くぞ!」

ぐい、ボクの手を引く。

まったく、強引だなあ

「ね、待ってよ今日はコンビニ行かないよ?」

「あ?」

でもそんな強引なとこも嫌いじゃないけどね。


さあ、行こう?サスケ


今度はボクが手を引いた。




「はー良い天気だ、ね、サスケ!」

「ああ。つか俺の方が飯買ってねえけど…」


まさか抜く気かよ。

はははっ!ひっどいなサスケ
なんでそんなマイナスイメージしかないんだよボクに


「ふふ、はーい」

「‥?なんだ、洗えってか、寮が一緒の重吾にやってもらえよ」

「あーそ、いらないの、じゃ、サスケはホントに飯抜きだ」

プイッと顔を背けて渡そうとした弁当箱を引っ込める。

‥あれ、ちょっと、引っ込めらんない。

「‥いるならいるって言えば…?素直じゃないなあ、もう…」

「‥まさかお前‥」

「なに?」

「作った‥のか?」

「そうだけど?」


目を見開いて固まる。
ええそんな以外ですかぁ?
ボクだってやるよ、兄貴と二人暮らしだったときは交替で家事やってたしね。

「サスケ、ボクのこと知らなすぎ‥」

「……や、そんなことない。まさかお前が俺のために作るとか‥」

「そりゃね、たまぁに気紛れにやりたくなっちゃってね」

ヘッ、我ながら女々しくてね。参っちゃうよ全く。

ちょっと献立に困ったから重吾にもちょっと意見もらったり。

だから初めて作ったものだって入ってる。

誰かに味見してもらいたかったけど……


「ま、一番にね、君に食べて欲しかったし。なんてね」

「……」

「まあ、味は保証出来ないけど愛は詰まって……て、うぉおいおまっ‥聞いてないのかよッ」

気付けばバクバクと食を進めてる。
え、そんなにお腹空いてたの?
まったくー

「あんね、味噌汁とか一応、ね」

ハイ、なんて短い単語でさえ言い切れないまま
ぱっと捕られた紙コップ。

「ねぇ、美味しい‥??」


あんまりにも無言で食べるから‥不安になってきたんだけど。

「……はー」

「美味しくないかなあ頑張ったんだけど‥」

「水月」

「なに?」

「洗っといてやるから明日も作れば?」

「……、あ、のー、一応返して貰えないとご飯詰めらんない‥」


素直じゃないボクら。


(美味かった、明日も作れよ)

(ほんと?ふふ、仕方ないなあ)


そんな一言だって言えない。



でもスゴいだろ?


濁った言葉の中でも見つけられる澄んだ言葉。



そんだけ通じ合ってるってことなんじゃない?


「今度、鬼鮫せんせにも作ったげないと」

「おい本気で言ってんのかただじゃ済まさねえぞ」


((なんて嘘))


(君にしか作らない)

(俺以外に食わせてたまるか)



「バカ河童」

「河童じゃないし、ブラコン」

「俺じゃねーし兄貴だからソレ、ファザコン」

「鬼鮫センセはボクのパパじゃありませーん、扇子一族め」

「てめえ、うちはナメんなし、プールに沈めてスタンガン流して感電させんぞ」

「うわっ怖ッ、殺す気じゃん水の中じゃ感電どころの騒ぎじゃないよ!」

「水死体だな」

「殺害動機は?」

「愛ゆえに」

「ぷっ、あっははははッ意味わっかんないサスケ!あはははっ」

「笑ってんじゃねえよ、結構マジだからな」

「ふふ、やだ、怖い怖い。…じゃあボクも一つ」

「あ?」

「君と長時間のプールに沈んで二人で水死体」

「俺はコロッと逝ってもお前は長く続くだろ。…まあいい、動機は?」

「愛ゆえに‥」

「捻りがねぇなあ…」

「世間で認められないならせめて一緒にあの世に逝きたい」

「ははっ、仕方無い奴だなお前は」

ばーか。



―――――――愛してる。




「…ボクも。」



愛してる。





こんな一言言うのも一苦労。




でもラブラブです。


-終-


素直じゃないカップル
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