15000HIT記念、地獄の鬼x鬼の子

【※ハオの心が読めるチート機能はオフでのお話になっております。】

【簡単な説明をするとハオは双子の兄で心が読める。葉は双子の弟でゆるゆる系男子。鬼灯は地獄の閻魔大王の第一補佐という職種に勤めている地獄の鬼。このお話では人間に擬態中。まぁ要するにこのお話限定でのコラボだと思えば大丈夫です。】

【急遽思いついたのをダダぁっと文章にしたので設定や展開に多少無理があるけど許してくださいませ。あ、あとヒロインは出ません。】




2月上旬。


あるカフェに異質な三人組がお茶をしていた。


一人は冬だというのにワイシャツのボタンを全て外し便所サンダルを履いた少年、麻倉葉。


もう一人の葉の隣に座る少年は葉によく似た顔をしているが落ち着いた雰囲気をしており、上半身にはマントしか身につけていない。


その少年は未来王、ハオ。


そして最後の一人は黒の独特な絵柄が描かれている服を着たつり目の成人男性、鬼灯だった。


三人はそれぞれ頼んだ飲み物を無言で飲んでいる。


「…葉。これはなんの会なんだい」


無言が続く中、ハオが口を開いた。


「うぇっ!?…ハオが呼んだんじゃねぇんか?」


突然話を振られ声が少しうわずる葉。


ハオは「そんなわけないだろう」とため息を吐きながら一枚の紙を出した。


「朝起きたら枕元にこの紙があった。この喫茶店に来いって書いてあってね…来たらお前がいたからお前からのかと思ったんだけど。」


「オイラは起きたら枕元にこの封筒があって『一人で来ないと燃やす』ってって書いてあったからてっきりハオからだと…」


そういってテーブルの上に置かれた封筒。


そこには宛名も差出人の名もなかった。


「…誰からかのものかわからないのにお前は来たのか?」


ため息を吐きながらハオは「前もそれで行って痛い目にあったくせに」と呟く。


葉はそんなハオに目を見開き、「パイロンとの時のこと、なんで知ってんだ?」とと聞いた。


「……さぁ、ね?」


ハオは明後日の方向を向きながら応えた。


「ハオ、もしかしてあの時そば…」


「あの、ちょっといいですか?」


そう葉がさらに食いつこうとした時、今までずっと黙っていた鬼灯が口を挟む。


「…あなたたちは今日ここに来た理由を知らないんですか?」


鬼灯の言葉にハオと葉は頷いた。


すると鬼灯はため息を吐きながら一枚の手紙を懐から出した。


「私は今日、普段の仕事を全部キャンセルしてこのカフェでこの手紙を読み上げるように上司に言われました。」


そう言いながら懐から出した手紙は薄桃色のシンプルなデザインのもので、手紙の封にはハートのシールが使われていた。


「おお、そうなんか?じゃぁオイラたちの枕元の紙も…えっと、」


葉の言葉に「あ、私は鬼灯といいます。」と鬼灯は自己紹介をする。


「その鬼灯さんの上司からの手紙なんか?」


葉が聞くと鬼灯は首を振った。


「いえ、うちの上司も外部からの仕事、と言っていたのでお二人の紙は私の上司のやったことではないと思います。」


「そうなんかぁ…じゃぁ、この手紙の中身を見るしかねぇな。」


うぇっへっへ、と彼独特の笑みを葉が浮かべると鬼灯も「そうですね」と返して手に持っていた手紙の封を開ける。


そして中身を読み上げた。


「『いつもチート少女、オープンラブ、闇鍋の閲覧ありがとうございます。皆様のおかげで仮眠室は15000HITを超えました。感謝の気持ちでいっぱいでございます。いつも亀更新で本当に申し訳ございません。これからもたくさんお話を書いていきたいと思いますので、こんなの読んでみたい、というのがありましたらアンケートにて是非お聞かせください。必ず、とはお約束できませんが皆様の需要に答えられるようなお話を書いていきたいな、と思います。それではこれからも仮眠室をよろしくお願いします。管理人、カエル』…」


鬼灯が手紙を読み終えるとどこからともなくパチン、と音がなる。


「……?」


鬼灯が首を傾げながら今読み上げた手紙をみる。


表、裏、と両面を確認したところでため息を吐いた。


「…なにも、書かれていないです。」


そう言いながらテーブルの上に投げ捨てる。


「うぇ?…おお、本当だ。なんも書かれてねぇな」


鬼灯が投げ捨てた手紙を持ち上げる葉。


「…くだらない悪戯だったみたいだね。時間の無駄だ、僕は帰るよ。」


手紙を見てそう言い放つとハオは席を立った。


「あ、ハオ!!」


葉の言葉を無視してそのままハオは店を出て行ってしまう。


「…飲み物、オイラ持ち…?」


ホロリと涙を出しながら呟く葉に鬼灯は「御愁傷様です」と声をかけた。


葉はため息を吐きながら手紙を見る。


三人の目には無地にしか映らない手紙。


何度見てもその目には無地にしか映らない。


葉は再度ため息を吐くと財布をポケットから取り出して席を立った。


それを見て鬼灯も財布を出し、席を立つ。


そうしてテーブルの上には無地にしか見えなかった手紙だけが残った。






あきゅろす。
リゼ