破廉恥(幸佐) ※R15
 2014.08.05 Tue 03:29

・幸村×佐助
・R15
・ヤっているだけ
・ただしほとんど前戯
・甘い
・ひたすら甘くて恥ずかしい
・一応現代パロですが、特に明確にはしていません

以上のことにご理解頂けましたら、本文へとお進みください。














『破廉恥』





破廉恥だ、と騒ぎ立てる彼はどこに行ったのだろう。
目の前の彼は、緊張の滲んだ顔に、獣の瞳を光らせている。
恐る恐る伸びてきた手は、体を無遠慮に這い回る。
子供みたいに触れるだけのキスをして、両腕は背中を情熱的にかき抱いた。
さっきから、ちぐはぐなことばかりだ。器用なのか不器用なのか、まるでわからない。
けれど、そのどれもが彼らしくって、俺様はひどく安心した。
(熱い…。)
旦那も。俺様も。場の空気も。全てが熱にうなされている。
ハァ、と熱い吐息を出すと、不安そうな目が見上げてきた。
大丈夫。気持ちいい。
告げた自分の声は、びっくりする程とろけていた。
旦那の目が見開いて、のどがゴクリと上下する。
もしかして、煽っちゃったのかな。
だとしたら、嬉しいかもしれない。
手を伸ばして触れた中心は、芯を持って立ち上がっていた。興奮を顕著にしたソレに、自分の欲も煽られた。
欲しい。なんて言ったら、引かれるだろうか。
そんなことを考えていると、掠れた声に名前を呼ばれた。
「欲しい…。」
耳元で囁かれたのは、今まさに自分が考えていた言葉。
真っ赤になった耳は、興奮の他に羞恥を伝えてくれる。
思わず、笑みが漏れた。
「破廉恥。」
からかい混じりに告げると、耳はますます赤くなる。返す言葉もないのか、口はぎゅっと力を込めて結ばれていた。
「いーよ。俺様も、欲しい。」
固く閉じた唇にキスをする。一瞬触れて離れると、すぐに追いかけられた。
ギュッと強く抱きしめられて、肺から空気が追い出される。
驚くくらい、甘い空気だった。

名を呼ぶ声が、愛しくて。
触れる熱が、愛しくて。
破廉恥、なんて言う余裕があるのなら、相手の名前を一度でも多く呼んでいたい。

溢れる愛しさに「好き」の音を乗っけたら、熱い幸福に満たされた。





END



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