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言われてからとはいえ一応「リンク」は私にも出来た筈。
チャラ男の声だって聞こえていたんだ。
それなのにチャラ男は私に「リンクが出来ない奴」と言い放った。
これは一体どういうことなんだろうか?

チャラ男は私に化け物になると吐き捨て、何処かへ行ってしまった…
この状況でどうやって情報を集めればいいのだろう。

昼間の学生食堂にいると不思議と落ち着く。
自分が空気と変わらない見えない状態で誰にも干渉されない。
だけど、この場所に居ても良いような気がして心地が良い。

ここに居ると昼間の限られた時間だけでも自分が学生として過ごしている錯覚を覚えた。

こんなことをして過ごしている間に季節は初夏へと移り変わった。
私が自殺してから三ヶ月が経っていることになる。
今、考えれば入学式やらで忙しい最中に自殺をされて学校側からすればいい迷惑だっただろうな、と思う。
だけど、学校の状態を見れば私が死んだことなんてどうでもいいみたい。

私は自殺の理由を知られないまま月日が過ぎている。
そのせいか頭の中へ響く声の減り方も著しい。
家族ですら生活ペースを取り戻した為、生活の空き時間でないと私を思い出すことがない。

そのせいか気持ちに余裕も出てきた。
それと同時にあのチャラ男が残していった言葉が気になって仕方がない。

あれからチャラ男以外の「幽霊」は見ていない。
と言うか、会っていない。
責められるような声も聞こえなくって更に気楽にもなった。
何か情報を掴む為に動こうと思う。
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