暖かい毛布に包まって怖い朝を迎えるずいぶんと都合の良い過呼吸だ嘔吐するまで愛を紡ぐ、その唇で涙腺摘出
「…寝れない…イル兄、寝れないぃ」
「だめだよ。きちんと寝ようよ。ね?」
「…だって」
俺の体を毛布ごと包んでくれて、イル兄は寝てくれる
ここまでしてくれるイル兄に愛想尽かされるなんて絶対嫌で、寝たいんだけど
それもまた不安で寝られない
「…俺のこと捨てない?」
「捨てないよ。何言ってるの、やだなあ」
ずっと一緒だよって強く長く暖かく抱き締めてくれる
夜が好き
怖い朝なんか来なきゃいい
それでも目覚めない限り怖い朝は毎日隣から迎えに来るんだ
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息も止まる行為に、過呼吸になった
鼻に残る香りは、ラブローション
「感じちゃったね。かわいい」
ご満悦な唇で、息も出来ないキス
「イチゴのローション合うの、かわいいね」
悪魔の食い物、イチゴ畑
致死量に、至りそう
*****
「嫌いな俺に愛をささやかれる」
のは、拷問だろう
フェイタンより、効くだろう
「仕事、お疲れ様」
ああ、ぐったりだ
目も開かないのに、瞑っては蹴られる
「さあ、嘔吐するまでだ。がんばれよ、クラピカ」
*****
「キルアがよく泣く。泣いてばかりいる。見たくない見たくない。泣くキルアなんか、見たくない」
元凶が、よく言ってる
頼むからはずみでフィギュア壊すなよお
大体毎回俺の部屋に来てくれてんじゃねえよ
電話でいいだろ?良くねえ?
「…涙腺切るとか」
「出来るの?涙腺だけ?」
「…無理だろ?」
なーんだ、って
あぁああぁ…何っでいっつもレアモノぶっ壊す?激レアブラコン兄さんはよぉお泣
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