貴方の死に顔は綺麗だったしまったああああ!!告白メール間違えて送っちゃったああああ!!!初恋純情レッドハァト




「キル、起きて」
「すー…すー…」

すぐ見つかる様に、木の上で寝てたんだ
じゃれてくるミケを追い払うのが大変だったけど

兄貴はまっすぐやって来て、俺を見つける
どうしてここまで正確に分かるのか分からないけど、兄貴は分かる

「キル、起きてって」
「……すー……」

兄貴を前に寝たふりをするのは至難の技だ
それでも続ける寝たふり

あの時は、部屋で寝てたのに
兄貴の部屋の前で目が覚めた時、起きてくれなかったからって理由で抱っこされていた

自分の部屋で寝てて連れ出されるって、何て不自由な生活
だけど俺を受け止める腕はあったかくて、揺られたことのない揺りかごでこれから眠る時を迎えるみたいに目が覚めた時でも穏やかだった

気分の良かった俺は、寝起きでも激しく兄貴と勤しんだ

で、やりたいんじゃねえの
また、抱っこされたいの
それでまたベッド連れて行かれても、兄貴にやさしく包まれるなら、それはそれもいいの

だから、早く

「っ!!!?」
「あ、起きた」
「お、起きるだろっ、何して」

下ろされたズボンを慌てて直した

「寝顔かわいいんだもん。寝てる間に抱いちゃおうかなって」
「や、やめてくれよ!起きてる時にし…」
「今起きたね。部屋行こう、あ、別にここでもいいのか」
「…っ部屋!」

予想の上を行く兄貴に抱っこされて地面に降りた俺は、当初の目的が果たされたことがどうでもよくなっていた



―――――




「やだなー。こいつに頼むの」
「誰、誰!?」

体は正直ってこう言うこと?
嫌なことは後回しにしたい心理?
俺はミルキの番号を押したんだ
だけど、兄貴で連想したら俺の手が…

「……あ、あぁああああああああ!!!!!!!!!!!!?」
「どっ、どうしたのキルア!?」
「……あ、……ど、……どうしよう……………」
「えっ、えっ?どうしたの?」
「…メール…送っちゃった……」
「え?誰に?」

ゴンが吹っ飛ぶくらいに叫んだ声は、きっとミトさんにもばあちゃんにも聞こえてる

いや、島中に?

「…打っては消して…何回も直して保存してたやつ…」
「大切なメールだったんだね?それを、誰に送っちゃったの?」
「………大切な人」

じゃあ、いいんじゃないの?って言うゴンが正しいかどうか
あんなメールを親父なんかに見られても確かに困る

「グリードアイランドもその人が持ってるの?」
「…全っ………然違うけど、そうだ、ゲームな」

今度こそ、ミルキと話が通じたけど、頭パンクしそう

大切な人…イル兄から返事、来ると思う?
何て来ると思う?…

ちょー怖ぇー泣泣泣



―――――




「銀髪のガキ」
「キルアって子?」
「あっちがクモ入ればいいよな」
「ああ、ゴンて子よりは向いてるね」

俺は断然ゴンだけどな、ノブナガが胸をかきながら目線を上げた
絶対キルアだぜー、とフィンクスも腰を下ろして天井を見る

…二人して何考えてるのかは勘でなくても分かる
あんな子供に…そんなもんなのかね

でも、本当にキルアの方は嫌だ
戦闘でも殺しにしてもセンスが見られる
何より、暗い世界は似合うけど
勘じゃない
見てたら分かる
あいつはあたしより、しずくより、パクよりも

「また会ったら遊んでやるかな」
「やめときなよ」
「ん?」

口を曲げたまま笑うフィンクスに、忠告
仰いでた顔をあたしに向けて、その目の白い部分がいつもより多く見える

「何で?」

ノブナガも興味を持って訊いて来た

「返り討ちに合うよ」
「ゴンにか?」
「もっと近くにいる奴。あいつの気配に混ざる程強力にあいつの近くにいる奴」
「誰だよ」
「…あいつとそういう関係持った奴」

「いっ!」
「うえっ!?」

別に驚くことないだろ、特にフィンクス
そうだね、あんた小柄な奴が好きなんだよね
キルアは目も大きいし、今まであんたの一方通行でかわいがった被害者達と同じだね

「マジか。まあ、そんなもんか」
「複数?」
「一人…こいつ以外とは、許されてないね」
「「ふへー」」

だから、やめといた方がいい
念だって相当使えるだろうし、やり合ったらただで済まないくらい

それに、禍々しいオーラ過ぎる
どれ程キルアに執心なんだ
強力だし、強烈
頭も相当やばい奴

フィンクスがすぐに手を出さなかったことから、キルアの特別さが分かる
今ごろまで話題として引き摺ることも、その証拠

相手が、悪い
初恋でも、ハートが燃えてても諦めな







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