額に銃口、薔薇が咲く死体三角コーナァと偏屈赤子ワン・ナイト・ラヴ毬藻と飼育係25m級プライベェト水族館滑稽な発芽発狂前夜無修正の奇形淑女24時間営業中。




「…俺何かこの映画嫌だ」
「止めるか?」
「うん。嫌いだ。観たくない」
「難しいとかでなくてか?悪かった」
「ううん。謝れないが、嫌だ。観ない」
「いや…まあ、食べ物の神話だが…面白くないなら」
「…とてもじゃないが、笑えない」



「ミザイミザイミザイミザイミザイ!!!!!」
「何だ。どうした」
「ミザイ捨てた!?三角コーナーに何か捨てたか!!?」
「いいや、何も」
「じゃあ、あれ何だ!?何あれ何あれあれ何だ!!?ミザイ、見て見て見て見て!!!!!!」
「何をそんな騒ぐ物が……………」



「今夜だけ?」
「…ああ。一夜だけでいい…ダメか、カンザイ」
「わんないと、って、ことか?やだ」
「……………」
「ずっとじゃないなら、俺はやだ。今日だけなら違う奴に頼め」
「……カンザイ、本当か、意味分かって」
「分かってないと思うなら頼むな。頼み方も全部違う」
「…今夜から、ずっと」
「もちろんそれだが、今夜しかしない内容でもうれしい。今夜だけ、俺とだけ。だけって、英語で何だ?」



「毬藻、か」
「知ってるか?土産でもらった」
「小さな国の、北の方の物ってくらいだが」
「でも、見てるの少し楽しい」
「手間はかからないしな」
「あ、そこで俺やっぱ世界広いと思った」
「何か聞いたか?」
「手間省くのに電動の熱帯魚をやったら、気付かず餌やってた奴がいたって」
「すげー…」
「一ヶ月、だったかなあ。餌代も大変だろ?」
「その長期間食べないから汚れる水槽洗ってか?…大変だろ、そいつから」



「本当に貸しきりなのか!」
「カンザイ、泳ぎたいって言ってただろ。海ならいいがプールではしゃぎ過ぎはうるさいと思ってな」
「あー、でも、ありがとう。キレイなプールだなあ!貸しきりってうれしい!」
「飲み物も出せるんだが」
「ちょっと折角だからまず泳ぐ!すげー貸しきりすげー!」
「俺飲みながら見てるわ」



「パリストン?むかつくことしか言わなかった」
「向かっててたよなあお前は」
「むかつくだから。傷ついてないから。あんな言葉受け止めて変な芽咲かせたくない。むかつくからキレる。芽も育たない、育たせない。何言われたか覚えてないし」



「……………………」
「…カンザイ」
「……………………」
「…悪か」
「な、な、何で昨日言ってくれないんだ!?今日!?お、お、思いもしなかった!!き、昨日から今日告白されるの知ってたら、ら」
「カンザ」
「ど、え、な、は、俺!?お、俺!?ミザイ、俺、が、好、きって、え!?」
「ああ。好きだ。付き合ってくれ」
「もち、もちろん、だ!あ、です!え、俺!?俺!?何で俺!?いや、うれしい!です!けど、え、う、あ、俺、で」
「…ハグかキスしたいって、早いか?」
「え!!ど、どっちでも、あ、だめだ、俺昨日レバニラ、あ、でも、あ、どうしたもんか、ど、どっちでも」
「じゃあ、ハグで。ほっぺで」
「わ、わ、ミザイあったかい!筋肉すげえ!!………」
「…ほっぺ軟らけえ…良い匂いする」
「…し、しないしない…どうでも…ミザイ…あったかくて気持ち良い…」



「整形なんかしないわよ。怖いじゃない」
「全部天然でその顔、スタイルのゲルすげー」
「たまたまではあるけれど、ありがたいことよね」
「すげー。すご過ぎて、変な感じになる」
「あなたが十二支んてのも相当なギャップあるわよ」



「もしもし」
『ミザイいつ電話しても起きてるな』
「お前がかけて来るからだ」
『えーと。今から行っても、大丈夫か?』
「事務所の方な。入り口開けとくから、自由に入って来いな」






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