ビニール傘越しに触れた精液歴代愛人墓参りツアーあんたがいるだけで毎日がドラマチック白い庭園に赤いペディキュア




俺しか触らない兄貴の慣れた手付き
兄貴は、俺を見ているのかな
撫でられている俺を
揺さぶられている俺を
今、達した俺を…

を?

「…、…え、?」
「ん?」

兄貴にしか抱かれない俺
兄貴の動きに合わせている俺
達する時は一緒なはずなのに…

「…え?」
「え?何?変だった?」
「…いや、てか…」

あんた何でゴムはめてんだ

「…は?……何、……はあ?」

いろいろ、言いたいことはいろいろあるけど

早くねえか?ゴムをはめるのが
俺が気付かないって、すごいよな?

で、何ではめたんだ?
で?でさあ

「…気持ち悪ぃよ…」

なん、何ての
ゴム越しに精液なんだよな
これ、なん、何なの?

「…雨ん中、雨具着て雨にあたってるみたいな…なん、何これ…」
「ゴムアレルギー?」
「違ぇよ死ねカス!!!」

念能力とも関係ねえよバカ!!!



*****



「お前の墓もあれば良いのに」
「……………」
「ガキだよ、お前」

墓を、撫でる

「お前が一番綺麗だよ」

私に、触れる

みんなの前で、みんなを殺したクロロに私が抱かれる

みんなの声が聴きたい私の声を、みんなが聞いている

でも、みんなに私は見えていない
みんなに私は見てもらえない
クロロに抱かれる私をみんなは

見たい?
見られたい?
見られてない
見れない
見たくない
見ることが

私にふたつ備わった、正常に機能する目から流れる涙が終わらない



*****



「なーんで機嫌悪ぃの?」
「分かって訊くのもヒドイものだ」

ステーキを含んで頬がより膨らんだ

モテ過ぎモテ過ぎ
いろいろな女性が、軽くジャケットを羽織っただけのレオリオをキラキラ瞳に映してる

「うまいだろ?お前の為じゃん」
「…おいしい、よ」

ワインも揃えてある外観もお洒落な、少し奮発したディナー

デートで来れちゃう、余裕のレオリオ
この後どうなるか、緊張しながらも妬いてる私

「あれ。クラピカとレオリオ」
「げっ、ヒソカぁ!?」
「デート?かわいくしちゃって、クラピカったら」
「俺が言うんだよ!」

…やめろよ
目立つしかない同士で、いさかい

「特別かわいいね。初えっち済ませたのかな?あ、もしかして今日がその日?」
「邪魔すんじゃねえよお前!!」
「ムキになられると上がっちゃうって」

血圧?殺る気?
レオリオも酒で勢い付いている

血気盛ん

周りから、あの子を奪い合ってんだよねえ
超イケメンじゃない、うらやましー…レオリオはな
ねー、あの子どっちを選ぶかなあ、やっぱり髪明るい方だよねえ

「ヒソカ邪魔だ!!どこか行け、今すぐにだ!!」
「うわあ。やる気満々だね」
「そうだ!!だから、邪魔するなー!!!」

女たちの目論みも分かった
私が邪魔なんだ、だから邪魔者同士をくっつけてレオリオに近付く魂胆だ

「…クラピカ、大丈夫か?」
「全然、全然大丈夫だ!問題ない!」
「でも、酔ってるよな。大丈夫かよ」
「っ、」

そう思うなら、尚更部屋に連れて行ってくれてもいいのに

「…、いじわるだ…っ」
「…赤い顔した涙目に睨まれたらさあ」



*****



塗らせてあげるよ、カルト様に跪く
奥様がよく使われる、庭の白いチェアから俺を見下すカルト様
ご自身で足袋を脱がれ、足の裏の熱も俺に許す

「キルアお兄様も塗られている」
「は、そうでいら」
「貞操帯らしい」
「……………」
「……………」
「カル」
「守ってる人に、破られているけど」

知ってるんだ、つまらない
キルアお兄様を狙っているお前だもんね

僕、家の執事の態度が気に入らない
従うことを、知らないの?
仕えていれてると、思ってないよね?
役に立っていないのにそんな風には、思っていないでしょ?

「…申し」
「僕、お前のことは買ってるの」

出来るお前を蹴る優越感、許されている僕
足くらいは触らせてやろうって気になるよ、お前は

「ありがとうござ」
「キルアお兄様の足元に転がる石でなければ」

執事だから、傲慢なの?
メイドはもっと、卑しいよね

キルアお兄様の人生にお前が関わっていいとでも

愚の骨頂の執事を僕は買っている、執事とは思ってあげている

「僕の言うことは聞くし、抵抗しないお前を」

まだ乾いておりません、挟む隙無く、カルト様は俺を蹴られた

自惚れでなくたのしそうに蹴るカルト様に、俺は執事の優越感を許された







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