きみと傷つけあうまいにち傍から見りゃありきたり、でも僕にとっては紛れもない特別ミルクティーに溶かした絶望、傍らに汚れたスプーン罪を正当化する恋




いい関係ではない
俺とキルが仲が良いこと
良くてどうなる

殺し合って、生かし合うのか

キルがすがって俺を見る
求めていることを分かる時点で俺には感情がある

でも、確かなこと
気に入られたいと思う、褒められたいと、撫でられ強く抱き締めてもらいたいとしたキルの言動は全てがかわいい

そしてやっぱり、可哀想

俺は俺
キルアはキルア
俺のものではない

キルアがこの環境に胸を痛める毎に、俺の心臓も痛みを食らっている…キルがかわいくなかったら、可哀想じゃなかったら

可哀想だとかわいいんだから、かわいいキルアが可哀想だとやっぱり胸が痛い



*****



海老がたべたいと言った
俺好みにボイルされたロブスターが出て来た
うまいと言った、光栄ですとコックが膝をついて泣いた

外に出てアイスを買ってもらった
初めてたべると言ったら、かわいいとださいが聞こえた
もっとたべたいと言った
イチゴとチョコとブルーベリーとパンプキンとミルクフレーバーを空にした

ざわつかれた
俺は初めてこの店に来た
あんなのずるいと聞こえた
380円のアイスをたべた
変な目で見られた
傍の奴らの馴染みのホブソンズ

服も見て回った
この服似合いそうだねと言われた
うれしくて、これも似合うか訊いた
訊いたもの全て似合うと言われ、全て買って帰った

何その安い服とミルキが言った
似合うらしいから買ったと言った
キルアお兄様に似合わないなら服が悪いとカルトが言った
どこの?とイル兄が訊いた
読めなかったから、ゴトーに訊いた
ロエンと答えた

朝起きたら買ったロエンが全て無かった
ロエンは?ゴトーに訊いた
奥様が、キルア様には他のお召し物をと、ゴトーが答えた
あっそ、と言った

デザートはタルト・タタンだった
くそまずかったからくそまずいと言った
昨日膝をついて泣いたコックが殺された



*****



ポチャポチャ、
ミルクティーに砂糖を5個落とした
熱いうちに混ぜて、溶かした

俺は裸

床には、スプーンも転がっていた
イル兄が、俺から掬って飲んだんだ
スプーンは、割りと冷たさを感じた

羨望を亡くしたのは、ミルクティーの方だった



*****



「キルアがかわいいからやっちゃった」
「えー…気持ち悪ぃー…」
「だって、かわいいんだもん」

「イル兄がやりたいって言うから、やっちゃった」
「何なのお前ら…」
「だって、イル兄格好良いんだもん」

「ホモだし、近親相姦だけど」
「だって、格好良いからいいじゃん」
「だって、キルアはかわいいもん」

「別に俺、関係ないし、どうでもいいもん…」
「「だって」」







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