…飽きない、のか?

飽きないのは、捨てずに抱き続けるのは、何でなんだ


「キル、ただいま。いいこにしてた?」
「…うん」


イル兄の、いいこってよく分からないけど

仕事が終わってイル兄は俺の部屋に入って来て、当然ベッドに座る
それまでに風呂を済ませ、キレイなシャツ、楽でキレイなズボンで不潔さはない

頭を撫でる、鼻を埋め、髪をなぞった口がこめかみに、肌に降りて来る

いいこに自主練していた俺も、きちんと風呂上がり


「いい香り。キルアの匂い」
「…シャンプー。ボディソープの匂いだよ」
「キルアのがいい香りだよ」


キスをしながらゆっくりベッドに倒される
シーツはいつも清潔に、真っ白だ


「俺のご褒美はキルア。デザートもキルア。甘くて美味しくてかわいいー。キルぅ」
「っぁ、イル兄…」


ご褒美を、頻繁に
甘いデザートを、召し上がり過ぎだ


「…すごく、ハマる」
「ひぃ、うっ、んぅっ」


ずっぽりと?
今俺の下のお口に収まってるそれみたいにずっぽりと?
イル兄の為の下のお口は何回もイル兄をずっぽりずっぽり受け入れる


「キル、締め過ぎ。動けない」
「…俺の為にがんばってよ…」
「キルアの為に………」
「ひ、ぃ、いっ、っ?」
「いいね、それ。頑張る、俺、キルアの為に頑張る。キルアの為にしか、キルアの為に、キルアの為に、キルアの為キルアの為」


魔法の言葉ではなく、呪文だった
イル兄を呪ってしまった、呪いをかけてしまった

とてもとても、最強の呪いに、イル兄は食い気味にかけられた


飽きる飽きないの問題でなくなった


だってこの呪いは、とけない
とかないからとけないのに、とかない


呪いはずっととけないまま、俺達もずっとこのままで







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リゼ