俺はリスカなんてやってない!針千本じゃ済まさないから、ね?狂いたくなんの、でも理性が引き止めんのあなたは僕を信じますか?あなたは、あなたを信じますか?




「ヒソカ」

血の匂いを辿れば大体たどり着く
特別鼻が利く訳でも、勘がいい訳でもないんだよ?

「イルミ」

ご満悦に振り返るヒソカは、足下にすげえ数の人間を転がしてた

「何?こんな奴殺して回ってるの?」
「いない方いいじゃん」

ヒソカがヒールで、首を転がす

「自慰のひとつ?」
「いや、自傷行為、かな」

リスカするくらいなら、おもいっきりやりたい

「殺すと気は晴れるんだ」
「感じないけどね」
「気持ち悪い奴殺すからだよ」



*****



「、った」
「…もう、俺のこと好きじゃないの?」
「、えっ、んっ」

手首を押し付けられ、俺には唇を押し付けてベッドが軋む

「、兄、な、何?ん…」
「…俺は好きだよ、すごく…ずっとだいすき…」
「…、兄、兄、貴?」

な、何…ど、どうしたの…
手が腹を撫でるから、腰から尻を触るつもりっぽいから、やだ
こんな、こんな雰囲気じゃ…

どんなセックスになんの?
怖い怖い期待怖い!!

「兄、兄貴、待って、ど、どうした…」
「…ミルキに聞いた」
「何、何を?」

首筋に顔を埋められてこんなくっついたままで、心臓バクバクバクバク期待でドキドキドキドキドキー!!

「アニメ?ゲームのキャラ?…格好良いって騒ぎまくってたんでしょ?」
「………あえ?」
「…俺よりそいつが好きなの?」
「…………………………………………………………」
「…図星?」

固まって動けない俺を兄貴は剥いで行く
恥じらいたくても頭が追い付かない、反射も出来ない

な、何それー

「きゃ、あ…」
「…画面から出て来なくたって、俺絶対負けない」

兄貴に似てるから好きキャラなんだよー、やーん



*****



「キル、ただいま」
「兄貴!おかえ…り……」
「キル?」

姿を見た瞬間、飛び付きたくて
抱き合って温もりも匂いも確かめたくて

「どうしたの?いつもみたいに飛び込んで来てよ」
「…うん」

結局ぎゅーっと抱き合って
温もりも匂いも兄貴のものだと確信すると、どうしようもない

「んー…キル、かわいい」
「…兄貴、そればっか」
「好きだよ。大好きだよ。かわいいよ、たまんないよ。キルの部屋行っていい?」
「…うん」

隠さず突っ走る兄貴に、狂ってんの
でも、まだ理性が残ってて…

ベッドじゃまだまだ乱れられないのー



*****



「イル兄の何が良いって、俺をかわいいって言うとこ」
「…ああ、そう」

そりゃあ、な
言うだろうよ

お前、かわいいもん

「嘘つかない人って信用出来るよな!」
「…事実だし…見て分かることじゃん」

お前がかわいいのは本当、かわいくないって嘘、一発でバレる

「かわいいって…かわいいんだって、俺。イル兄、俺がかわいいから大好きなんだってー!」

…何はしゃいでんだ
そんな事実に、毎日言われてて

「俺、かわいいんだってー!!」

言うとだめなんだぜ、本当のことって
大声で感極まってんな、バかわいい奴



*****



「イル兄、好き」
「うん。俺もだよ、キル」

知ってるよね、大好きだよ、キル
キルがかわいいから、大好きだよ

「…兄貴ぃ、大好きぃ…」
「うれしい。大好きキル。かわいい」

言ってくれないけど好かれてるけど、キルは俺のどこが好きなんだろ







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