「ミザイストムさんて、いい人だよねー」


協会内で事務をしている女達が自販機の前で立ち話してた
俺も飲み物が欲しかったが、ミザイの名前に反応し、観葉植物に隠れた


「パリストンさんみたいに格好良いーって訳じゃないけど、優しいんだよね」
「私はパリストンさん何考えてるか分からな過ぎて、ミザイストムさんの方がいいかもなー」


だって、本当に優しいんだもんねー、この前なんか…、とたのしそうにやかましく騒ぐ女達はミザイに大盛り上がり

パリストンが格好良いってのは分からんが、ミザイはやさしいぞ
すっごくすっごくやさしいんだ

俺と付き合っているんだ、彼氏だ
格好良いし、やさしいし、大切な人だ!


「だからさあ、おっとなしーい人と付き合うんだろうなあ」
「そうだろうけど、派手な人相手にするよりマシじゃない?」
「ミザイストムさん、この人と付き合ってるの?って、がっかりしたくないもんねー」


ん?ん?

今、ミザイを褒めてたよな?
でも、何だ?
彼女?付き合ってる人が変だとがっかり?

俺の所為で、ミザイの価値は一気に下がるのか!!


「…………………」
「カンザイ。どうした」


女達はいなくなって、何を飲もうか自販機の前に立った
金も入れずに突っ立っていた


「ぼやぼやしてると品切れするぞ。事務員達が急須が壊れただのポットが壊れただの騒いでるから。急須の予備はあったが、ポットまではさすがに足りなかった」
「ああ。いつもは部屋で何か飲んでいるな」


なるほどなるほど
確かに珍しい光景だった

じゃあ、急須を渡したり対応したのはミザイで、またポイントを上げたのか、ああ、ああ

何にする?と訊くから、炭酸をごちそうになった

キツイ刺激が、特に今の頭に丁度良かった


「…カンザイ。今日、泊まりに行ってもいいか」
「俺が行ってもいいぞ」
「ん、俺が行く。何か買ってくのはあるか」
「あー、パンを切らしてて。惣菜パンがあるといいな」
「分かった…じゃあ、夜に」


ポン、と頭から手のあったかさを離してミザイはどっかの部屋に入った

ほらな、やさしいんだ
ミザイは、やさしくてすばらしい男なんだ


「俺と付き合ってるのは、イメージだうんと言うやつだな…」









「わっ、ミザイ、」
「…カンザイ」


玄関から招き入れて、部屋に入ったら抱き締められた


「ちょっと、ちょっと待った、」


すぐに寝室の戸を開けベッドに倒される


「…あまり、待てない」
「だめだ。風呂、俺、風呂!」
「…どうしてもか?」


当たり前だ!、と叫ぶ前に、ミザイお前、何て目をしてるんだ

何て目で俺を見てるんだ

俺はお前のイメージを下げてるのに
お前は俺と付き合っているとイメージだうんなんだぞ


「…カンザイ」
「…、ん、む…」


ずるい唇、上手いキス

うぁあ、目を閉じたからミザイの目がどうなったか分からん
でも、開けたら溶けそうに気持ちいいキスが半減しそう

溶けるー溶けちゃいそうだー
そうだな、溶けてしまえばいいんだ

ミザイの、こんなに格好良いミザイの価値を下げる俺は、ミザイに溶けて隠れたい

彼女じゃないけど、ミザイの細胞になれるならそれはそれで


「…カンザイ」
「…ん、ミザイぃ」


風呂を諦めさせたと思ったミザイの行為は、進む進む
お目当ての俺の乳首にご満悦

ミルク搾れないぞ


「…、かわいい、最高にピンク…」
「あぅ、んっ」


つまんで、舐めて、おしゃぶり


「んんん、ミザイ…」
「かわいい声出してくれるんだな…俺、もう…」


別に、さっきからずっとあたってるんだから
それこそ俺の股や脚に膨らみを感じてしまって、脱いでいないのに熱が籠っていて、こっちが起つわ

いざベルトを外してみると、現れる黒一色のモンスター


「でかく、なり過ぎだと思う、」
「入れていいか…?」


何故いちいち訊く、やさしいからだな

毛づやが良くて、見た目は健康的
ちゃんとミルクが出るか、調べてやるぞ


「ん…んー…」


穴に宛がわれたら、声だって出る
ミザイを好きな気持ちも、溢れる


「…大丈夫そうだな」
「…ぅんー…ぬるぬるだー…」


好き、好きだ
ミザイが好きだ
大好きだ
だから俺は


「…ミザイ…」
「…ん、入れる」
「俺と別れてくれ」
「、は」


今?今言うのか?
おう、今だ

俺を溶かしてくれそうだったミザイの目はいつも以上に白目が目立った
口を開けて、ぽかんてばかっぽいぞ


「カンザイ?何言…」
「入れてほしい。入れてくれ。ただ、別れてくれ」
「………………」


ほら、入れたいだろ
いいぞ、って
入れてくれって
はやく入れてもらいたいんだ
待てない

あそこはなめらかに準備万端なのに固まって、どうしたミザイ


「…どう言う、ことだ…」
「別れてくれないか」
「…急に、そう思ったのか?」
「今日な」
「…何か、俺に…俺が何かしてしまったのか?」
「いいや」


そんな訳ないだろ
何かしてるのは俺なんだ
ミザイはいつもいつもやさしくて

だから俺、やさしいミザイがちょっとでも悪く言われるのがすっごく嫌なんだ


「…なら、何で…他に、好きな奴が?」
「いない、そんなん。ミザイ、はやく入れてくれ」
「…カンザイ」


こんな話ししてるのに、ちっとも萎えないんだなあ
さっきからビクビクビクビクしている

よろこばしいな
ミザイに愛されるの、最後だから
形も大きさも、やけどみたいな熱さも俺は絶対忘れないぞ


「、い!?」
「誰だ?…カンザイ…言え、カンザイ」
「、うっ?ミ、ザ、い、いたぁっあっ」


濡れた意味なんか無かった
腰を掴んだミザイがひどく乱暴な一歩を踏んだ


「い、いたっ、い、いたい、ミザイ、」
「…もう寝たのか?そいつもここに入れたのか?…そいつが良かったから、俺と別れたいのか?」
「い、待った、いたい、いたいぃ、ミザイ、ぅあっ」


誰だか分からんそいつに苛立ち、ちっともやさしくない
ミザイ、やさしくないお前は、初めてだ
いたいと言っているのに、最初に痛めてヒリヒリする奥ばかり何度も何度もガツンと乱暴に乱暴に

そいつって、誰なんだ


「、ミザイ、俺、ミザイしか、いない、っ」
「カンザイっ…カンザイ、…なら、何で…」


どうしようどうしよう
どうしたらいいんだ、別れられない

だって本当なんだ
俺にはミザイしかいないのと、ミザイのイメージだうんするのは

どうしようどうしようどうしたらいいんだ
大変大変大変だ!

ミザイの価値が下がっても、俺、ミザイの側にいたいぞ!!


「ミ、ミザイ、中、中出してくれ、ぇっ」
「、気持ちいいよな…カンザイの中に入ってるだけで、気持ちいいんだ、」
「うん、うんっ、気持ち良くて、あっ、でかくなっ………ったぁ…っ」
「、また、お前は、」


あったかい、ミザイの、あったかくて、安心する
お互い服を全部脱いではないけれど、抱き合ってると、すごく近い

鼻も唇もほっぺも、俺の顔に触れてくすぐったい
くっついてる体、あったかいー

広い胸に包まれて、太い腕にもがっちり捕まれて、溶ける様な熱をもらった


「っ、はあっっ、カン、ザイ」
「う、あ、とけた、俺、とろとろに溶けた…、」
「、はあ、っ、はあー、カンザイ…」









もう何回やったか、分かるか


「あっ、ミザイ、あ、んっ」


枕を抱いて尻を上げれば、ミザイがひたすら腰を打ち付ける


「ぅん、っ、ミザイ、ミザイぃ」
「、カンザイ、俺の、俺のカンザイ、」
「ミザイとしか、してない、ミザイ以外としない、したくない、っぁんっ」


ミザイ、好き
すっごくすっごく、ミザイだけが好き
大好きなんだ、ミザイストム


「、バ、レないから、別れない、っ」
「、あっ?」
「うぃ、んや、ぁあぁっ」


きちんと伝えて、果てたんだ









すまん、と謝りつつミザイは俺を責める


「何なんだそれは…それで何で別れるに繋がるんだ…」
「すぐ繋がったぞ」
「お前は変なのか?」


腕枕をしながら俺の腹を撫でるミザイは、やっぱり本当にいっぱいやさしい


「分からん。だが、ミザイのイメージを下げるのは彼女なんだと」
「下がったところで何なんだ。お前はイメージ下がった俺を嫌うか?」
「ミザイは好きだ!下がろうが上がろうが関係なく好きだ!」
「俺もカンザイがいいし、カンザイじゃなきゃ嫌だから、問題無しだ」
「こんなにやさしいミザイのイメージがぁ…」
「寧ろ、下がってほしいな。俺はお前だけをかわいがりたいしお前だけにやさしくしたいんだ」






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