何度も何度も何度も、愛す死なない蜻蛉フェティッシュ吐瀉物真っ赤な部屋と固執する彼まだ泣いているカナリア
「本っ気しつけえな、お前は!!」
「もう一回、本当に!」
「勝つまでって言っとけよもう!」
ツェズゲラ達とも練習中、ゴンとキルアはまだ決着つかず飛んでいた
下から見てると、パンチラの確率もあるんだよー
見破られてた彼女に、僕はじろじろ見られてる
僕が強いか興味があるかい?きみも強いだろ?
なのに、お互いに謙遜やうそを吐く
だまされる方も素直だけれども、悪いんだよね
ああ、ゴンの健康的な脚
キルアの白く細い脚
どっちに蹴られても粉砕骨折
危ない魅力的な脚
ああー、蹴られたい蹴りたい触りたい撫でたい舐め回したいすりすり嗅ぎ回したい
「…ふ、ふふふふふふ」
後ろで青ざめる彼女の心配をよそに、二人は僕の前に落ちて来た
「キルアっ、勝つまでね!」
「…しつっけー…イル兄みてー」
馴染みのある名前に、心底嫌悪感なキルア
「イルミ?」
「あいつも何回も何回も何回もやって、終わりだろって思ってもまた何回もやるからさあ。起きた時には仕事行ってるし。マジ体力も全然敵わねーの。むっかつく」
「「………………」」
ねえ、彼女
すごいことさらっと言うからしっかり聞いちゃったね
じゃあ、ほら、イルミを倒す為にも、じゃないと思うんだよ…ああ、太陽とゴンがまぶしい…
*****
「イカルゴ、こいつ使うのか?ボロボロじゃん」
「あ、俺は死体なら操れるんだが、そいつ、まだ…」
なかなか死なないとか思ってたけど、ギリギリまで待とうとか、大体頼めなくて…虫の息なのに、息の根止めてやる方もいいのに…
「!!?」
「ほら、イカルゴ」
「…キル、ア…それ」
「あ?体は傷まないで死ねばいいんだろ?」
いや、だから、お前が今右手に持ってるそれ…
「しっかし、進歩もねえなあ。鈍ってないだけマシか」
部屋に帰って来たゴンが、あ、久しぶりに見たーやっぱりすごいねーって
へへって、キルアが、キルアの右手の器官がぐちゃって…部屋が汚れた
*****
「ゴトー。キルアが吐いた。掃除しといてー」
「かしこまりました、ミルキ様」
ぐったりしたキルア様を脇に抱えて、まだ訓練なのか、お得意の甘やかしで湯船に浸けてあげるのか
訓練室が汚れていなかったので、キルア様のお部屋にお邪魔した
どうにも慣れない、強い毒を試すと戻される
血が混じることはなく、ただの嘔吐なのだが
毎回俺が片付ける
お役目だ、大事な仕事
毒を試す時はミルキ様がデータを取りつつ室内で行う
吐くと呼ばれる俺
片付ける、キレイにする
キルア様が吐いた
ミルキ様のお言いつけ
お役目だ、片付ける
イルミ様はいらっしゃらない
邪魔は入らない
毎回俺がこなす、大好きな仕事だ
*****
「、い、やあ…いたい、」
いたくて泣いてる、真っ赤な部屋
「、いたい…いたい、イル兄ぃい…」
やめてくれない、真っ赤な部屋
裂けて、肉がえぐられて、背中まで伝う
真っ赤な、部屋
「…浮気したから。他の人とやったから」
「、や、ってない、本当に…いたいぃ〜…っ」
「…キルぅ…キルアぁ…キルー」
「いっ、う、ぁああっ、ああっ」
真っ赤、真っ赤、真っ赤な部屋
いたい、いたい、いたいぃ
やめて、お願い、やめて
イル兄お願い、もうやめて
*****
カナリアって、鳴き声キレイな鳥だろ?
肌の色が濃い人って、歌上手いって聞く
友達にならなくても、命令なら歌うよな、と木の枝にいる俺に気付かないカナリアは口ずさみだした
「…♪〜♪〜♪」
何の歌だろう、流行りの歌ではない
暗殺一家で育ってなかったら、誰かに歌ってもらえるのか
すごく上手いしキレイだし、胸が締まる思いがする歌
俺に気付かないカナリアの歌を聴いていた
カナリアの境遇だって良くはないのにやさしい囀り
「♪〜♪〜♪〜…」
俺に気付かないカナリアは、悲しくキレイにまだ歌ってた
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