きみと死と愛に関するおとぎ話ねえパパ、いま何処にいるの?何も言わずに抱き締めていてよ痛いはずなのに笑ってるモルヒネのような愛情この首輪は君のためのものじゃない眼鏡をはずしてちゃんとあたしを見てよ!
キルアに付きまとう死と愛
殺すか殺されるか、愛される
キルアを愛するのは俺
キルアに殺されるのは俺が選んだ奴
仕事とは言え、うらやましいなあ
キルアに、殺してもらえるなんて
俺はとっくにキルアのかわいさに殺されてるけど、例え話だし
いつまでも子供じゃないけど、死ぬまでかわいいキルア
永遠に愛されるなんて、ステキなおとぎ話だね
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ヒソカ、イルミと違って年上派
かわいがられたいからだろうな
甘えたいんだ、俺は
俺より強い奴じゃなきゃ、それも無理だし
「お前は父親と似てないな、イルミ」
「ああ、母さん似。キルは似てるよ」
「キル?弟か?」
父親、母親、キル、が写った写真を渡される
「こんなもの持ち歩いてるのか」
「イルミ大好きだもんね、弟」
「うん。すごくかわいいから」
写真にシワが寄る
ダメにしたら怒られる
嫌だな、怒られるのは
怒られたくない、このガキがかわいいパパに
「父親が恐くてやってないのか?」
写真を返して訊く
「やってるよ」
「よく怒られないねえ」
「キルアも俺が、好きだから」
じゃあ、父親は?
俺がガキを人質に条件を出したら、どうする?飲むか?
解放する代わりに、俺を抱け
金何かいらない
パパはどこにいても来るだろう、キルアの為に
取り戻す為の条件が俺とセックスじゃ、疑うくらい容易だな
今、どこにいる?
抱かれたいなら、キルアを拐う方が早いな
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クロロがこっそりキルアを傷めつけた
のが、イルミにバレた
もちろん、僕がチクった
「すまなかった、イルミ」
代わりに、とクロロは殴られた
とても上手く行った様に、笑ってた
「父さんに言わないよ。キルアも言わない。お前と絡むの止められてるから」
イルミに殴られてボッコボコのクロロはガッカリに笑ってた
発散にはなったんだろう
一方のキルアも笑ってた
理由が当たっていたら、やっぱりキルアは性格が悪い
甘やかされる為に生まれたお坊っちゃまだ
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愛が、注がれる
俺との結合部から、兄貴の百億の愛が
放たれた愛が、中に、中に、入る
俺の体内を、愛が満たす
全てに染み込む、兄貴の愛
全ての苦しみから逃れられる
それが俺に唯一効く麻薬物質
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僕に首輪をかけて
すぐ外してしまうけど
首輪をつける程僕を可愛がって
「イルミ、決まった?」
「やっぱりだめだ。ミルキに作ってもらう」
犬飼うって言ってんのにSMショップに寄るかね
きみの家の犬には似合うだろうけど
「ねえ、これチョーカー。かわいいよ、オソロイでつけない?」
「つけない」
…冷たくされるのもうれしいなあ
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お母様は僕をかわいがってるけど、お父様とお兄様は違う
いつもいつもキルアお兄様を可愛がり、ずっと成長を見守っている
「っ、カルト様、何か」
「邪魔だよ。退いて」
お兄様を見ていたゴトーの脚を蹴った
ゴトーの眼鏡にいつも映るお兄様
お前は僕を見れないよな
僭越ながら、親みたいだったら
身のほど知らずが
分を弁えて眼鏡を外せ
ぼやけてたって、お兄様だけは見えるんだから
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