音無く嗤う




 陰鬱な気分がどうしようもなくて、ただ一人涙を流すように嗤う。それが、己れの心の満たされないのを埋めてくれるわけもなく、酒に溺れる狂人の様にまた嗤う。それでも何か満たされない心地で何かを求めて彷徊うが先にはお前がいないではないか。

――なかなか泣けない空ですね。

泣けないのではない。泣かないのだ。

――この光に目が眩んでしまいそう。

目が眩むのはお前が未だ太陽に愛されている證だ。己れの周りの影は薄いのにお前の影はどうしてそんなにも濃いのであろうか。瞬きの刹那にお前が思う全てのものが己の疎むものだと知ればお前はどんな顔をしただろう。 消えてしまいそうな己れの影をお前は未だ追っていてくれるというのにお前を己れが追うことは叶わないのだ。その価値観を笑っていられた昔はもう二度と帰っては来ない。
 さて、如何してまた二つの足で歩こうか。
 虚無感と倦怠感から出た涙が瞳に戻ることが無いように、ただただ立ち尽くせる己れを嗤うのはお前だけだというのに。




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