↓続き
 2013/10/15
A






「………そうですか…」

あまりに頑ななその態度に、これ以上は食い下がっても無駄だと諦めて律動を開始する。

「んッ…は、ぁ…!」

絡め取った指が縋るように強く握り締められ、蕩けた灰硝子が真っ直ぐコプチェフを見つめてきた。
その表情は行動と対照的に羞恥で今にも泣きそうだ。

(あー………もう、この人分かっててやってんじゃねえの…)

それでずっとギリギリ抑え続けていた嗜虐心に完全に火が点く。

「…ボリス先輩、」

「ん…ッ」

許されるとは思っていないが、謝罪の意を込めて鼻先にキスを一つ落とした。

「これが、俺なりの可愛がり方なので」

「?」

意味を咀嚼しきれていないボリスを置き去りにして、腰を掴み固定する。

「ま、待てコプッ…!」

それで理解したのだろう、灰の瞳が大きく見開かれた。
構わず強く腰を打ち付ける。

「ッあ゛あぁぁぁ!」

強く爪を立てられた背の痛みは無視して熱杭が抜ける寸前まで引き、またすぐ最奥まで打ち付けて。

「ひ…ッ!………ぅあ゛、あアァ!」

軋むベッドの音と結合部が立てる卑猥な水音と、彼の悲鳴に近い嬌声。

「先輩…ボリス先輩、ッはは…可愛いですよ…!」

ジワジワと満たされる征服欲に思わず笑みが零れる。
強く抱き締め、ボロボロと流れる涙を舐め取った。

「ッは、ぁ…!あんま…が、っつくんじゃ…あァ!」

「先に誘ったのは、先輩でしょう?」

嫌なら、嘘でも好きと言ってくれていれば変わっていたかもしれないのに。

そう言うと、ボリスが嗤った。

頬を真っ赤にして、涙さえ流して。そんな余裕が全くない状態だというのに、不敵に。

「生憎、野良が…性に合ってるんでな」




















翌朝。

コプチェフが目を覚ますと、ボリスの姿がなかった。

「…あれ、せんぱい…?」

欠伸と共に呟くが返答はなく、代わりにカーテンを一気に開け放つ音が響く。
陽光が寝起きで開ききらない瞼を刺した。

「う゛…まぶし…!」

「おはようケダモノ」

「朝から酷い言われようですね…おはようございます」

逆光でよく見えないが、ボリスの声音から察するに怒ってはいないようだ。

寧ろ。

「ご機嫌ですね…」

「そう聞こえるか?」

「はい。少なくとも声だけは。どうしてですか?」

問うと、喉で笑ったボリスがベッドサイドに腰かけた。
ふわりと香った石鹸の香りにシャワー浴びたんだな、とぼんやり感想を抱く。

声に比例して楽しそうな顔がずいと近付いた。

「なあコプチェフ」

「はい」



「好きだぜ、お前のこと」



理解するのにたっぷり10秒は要した。
顔がみるみる熱を帯びていくのが分かる。

「は、はい…!?」

ニイ、と何処か悪役じみた笑顔に変わったボリスはするりと立ち上がり部屋の出口に向かった。
一度立ち止まり、振り返る。

「野良猫に捕まる気持ちはどうだ?」

ざまぁみろ。

そんな台詞を残してさっさと帰ったボリスをベッドの上で見送り、蹲った。

きっと耳まで真っ赤になっている。



「敵わないなぁ…」



『懐いた野良猫』の気まぐれには。






















半年以上の放置を経て完成しました猫の日あんま関係ない上たいしてエロくなくてすみません(スタイリッシュ土下座)

猫の気まぐれってたまらんすよね、ツンツンしてたと思ったら急に甘えてきたりされるともうああああ!!ってことを言いたかったですはい。


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