『ぴっぴかちゅ〜』
「何してんの?」
トキワの森捜索中、ピカチュウの声真似をしていると、なんとレッドと遭遇してしまった。
『れれれれレッド!?』
「うん。レッド」
『今の、聞いてた…?』
「…ピカチュウの声真似?」
聞かれてた死にたい。
『忘れて下さいいいい!!』
「そんな照れんなって。可愛かったから」
『う…』
レッドはこんなことをさらっと言ってしまうからたちが悪い。心臓に悪いんだよ、馬鹿。
「ところで名前、なんでここにいたの?」
『ピカチュウが、欲しくて』
「ピカチュウ?」
レッドのピカを見ていたら、私も自分のピカチュウが欲しくなったのだ。だから、私はトキワの森にいる。理由は、もうひとつあるんだけど。
『ピカみたいな、ピカチュウ欲しいな』
「はは…。懐かせるの大変だぞ」
レッドのピカとイエローのチュチュが恋人同士で、多分、レッドとイエローも恋人同士なんだと思う。イエローのことは友達として大好きだから、レッドとの仲を応援したいけど、私もレッドのことが好きなわけであって。心の何処かで、別れればいいのに、なんてことを思ってしまう私は性格が悪いですか?
「ピカチュウ、なかなか見付からないな」
『…うん』
もし私の手持ちにピカチュウがいたら、ピカと恋人同士になれたのかな。もし私が、イエローより早くレッドに気持ちを伝えてたら、私はレッドの恋人になれたのかな。
考えても、時既に遅しだ。
『…ねぇ、レッド』
「何?あ、ピカチュウいた」
『今更遅いのかもしれないけどさ』
「うん?ピカチュウ捕まえないの?」
ピカチュウは今どうでもいいんだよ。私は、レッドに言わなきゃいけないことがある。
『レッドが、好きだよ』
「……うん。え!?」
困らせちゃったかな。ごめんね。イエローも、ごめん。
『いいの、気にしないで!レッドにはイエローがいるんだから』
微妙な顔をしているレッドを見てたら居たたまれなくなって、ピカチュウに逃げる。
『さぁ、ピカチュウ捕まえなきゃ!』
「あ、名前!」
レッドの声なんて、聞こえない聞こえない。
「俺も、名前のこと好きだから!」
『…へ?』
ピカチュウからレッドに視線を向ける。レッドの顔は、微かに赤い。
『だ、だって…イエローは…』
「確かにピカとチュチュは恋人だけど、俺とイエローは、そんなんじゃないから」
俺が好きなのは、ずっと名前だけだから。って。私が望んでいた答え。
『嘘は、なしだよ…?』
「あ、疑ってんの?俺そんなに信用ないかなー」
ごめん。嘘じゃないってことはわかってるんだけど、頭がついてこないんだ。嬉しすぎて。これは夢なんじゃないかって。
境界線、越えてもいいですか
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ゆめ様に愛を込めて
リクエストありがとうございました!サブマスかリメレということでレッドにさせていただきました。いまいちキャラが掴めませんでしたm(__)m返品可です
title_確かに恋だった
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