想う



相馬



「好きだよ」

『そうですか。それは良かったですね』

「ということで、付き合お『黙れ』


今日も平和なワグナリア。
この現場を除いては。

相馬博臣、20歳。
毎日毎日、飽きずに私に告白してくる変わり者。
私はまだ高校生だ。相馬さんはロリコンか。
まぁ、私の容姿はそんなにロリコンにはあてはまっていないのだけれど。
種島さんなんかに告白していれば、それこそ犯罪になるかもしれない。まだ私で良かったのかも。…いや、いっそ捕まってほしいな。


『毎日飽きませんねー。いい加減、からかうのやめたらどうです?』

「冗談じゃないんだけどなー」

『ああ、そうですか。冗談にしか聞こえませんね』

「こんなに想ってるのに…」

『貴方に想われても嬉しくありません』


ぴしゃり。言ってやった。


「……苗字さん…」


うーん、言い過ぎたかな?
流石に、嬉しくないは駄目だったか。


「照れてるんだね!そんな苗字さんも可愛いよ!」

『………』


心配して損した。
こんなに損した気分は初めて。
相馬さんに構っていると疲れる。あと、無駄にポジティブなのもうざい。


『うるさい。早く仕事してください』

「俺の仕事は苗字さんを想っていることだよ!」


そんな相馬さんが、佐藤さんのフライパンによって殴られるまで、あと1分。





想う




111016

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