玉狛にお泊まり
「何で咲羅がいるのよ」
2人が防衛任務から帰ってきた時の桐絵の一言目がこれだった。まぁ誰よりも早くレイジさん特製のカツカレーを、私と風間さんが食べていたら驚いてそういうのも無理もないと思う。ちなみにカレーは、めっちゃ美味しかった。また食べたい。
「あ、2人ともお疲れ様〜」
「実は咲羅先輩今日から玉狛に入るんです」
(はいっ!?)
とりまる、君は急に何を言い出すんだと一瞬思ったけれど、要はフリって事だよね!ここノッてもいいやつだよね!むしろ乗らないといけないやつだよね!(よくわからない使命感)
「そうよ!私今日から太刀川隊辞めて、こっちに所属するの!」
「え!?そうなの!?」
「ごめん嘘」
目を輝かせる桐絵を見て嘘をつくのが申し訳なく思い、咲羅がすぐさまネタバレ。この間は0.5秒。なかなか早かった。
「……!騙したなーっ!?」
「いひゃい」
ほっぺたをグイグイと引っ張られる。そんな柔らかくないから引っ張っても伸びないと思う。
痛いとごめんを何回か繰り返していたら離してもらえた。騙すのほどほどにしないとだね。
「……で、本当は?」
「せっかくだからお泊まり会しようと思って。だからお菓子たくさん買って来たよー」
じゃーんと自分で効果音をつけて買って来たお菓子の一部を出す。余ったらこのままここに置きっぱなしでも大丈夫だろう。次に来た時には無くなっていると思うけど。差し入れということでどうでしょうか。
「ま、明日の午後から防衛任務入ってるんだけど、ここから直接行けば良いかなって。というか正直家に帰ってから本部行くの面倒だし」
「それなら明日休みって時に来れば良いのに……💧」
それ皆に言われたよ。でも今日来たい気分だったのよ。許可貰ったし良いかなって。と、心の中で答える。
*
「という訳で菓子パーティーだー!」
ちなみに、どういう訳だというツッコミは受け付けませんのであしからず。晩ご飯を食べるのを待ったり、お風呂に入ってから玉狛支部にある栞の部屋に移動して3人で食べ始めた。夜に食べると太るだとかは今日だけは気にしない事にする。
「……って事があったのよ」
「それは大変だったね」
2人とも学校が違うし本部に来る事が少ないので軽い近況報告が始まる。とはいってもほとんど咲羅が1人で話しているようなものだが。テストの話だったり、最近の本部での様子だったり。
「………イケメンの彼氏が欲しいわ」
「どうしたの急に」
突然の咲羅の発言に2人からツッコミが入る。どうもこうもそう思っただけだよ、と返す。それにずっと前から思っていた事だし、と加える。
「今度スイーツバイキング行きたいなー」
「咲羅って本当コロコロ話を変えるよね」
まだまだ3人のお喋りは続くのだった。
「あっ!いいこと思いついた!ちょっと聞いて?」
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