side:黄瀬
こんにちは、皆のアイドル黄瀬涼太っス。
え?どちらかというとモデルだろって?
そんなの今はどっちだっていーんスよ!

「なまえ、悪かった、頼むからいい加減機嫌をを直してくれ。」
『嫌だよしばらく話しかけないで!』

休日ということで赤司邸にお呼ばれしたりオレたちレギュラーは、先程から行われている双子様のタダ事ではない空気に押しつぶされている。
皆の顔が死んでいるのがその良い証拠だし、黒子っちにいたってはミスディレを活用してドロンしようとしているぐらいだ。
「黄瀬くん、僕はバカみたいな君のファンとは違うので腕なんて掴まれても嬉しくないんですが。」
何?黒子っち何気ヒドくない? 
どこからツッコめばいいのか分かんないけどオレの心は痛いよ色んな意味で。
「だって黒子っち、この手離したら帰るっスよね!そしたら残されたオレらたちはどうなると!」
「チッ、バレましたか。」
黒子っち今舌打ちした?!

「すまない、なまえのだと知らなかったんだ。直ぐに同じ物を取り寄せるからせめて目を合わせてほしい。」
『そんなんじゃダメ、あのマカロンは敦があたしのために昨日くれたものなの。征十郎が取り寄せるのとはワケが違うの!』
死にそうな顔をしてなまえっちにすがりつく赤司っちは必死そのもの。
しかし今の話から見えてくる双子の不機嫌の原因は…マカロン?
つまり紫っちがなまえっちにあげたマカロンを赤司っちが食べてしまったってこと?
「あの紫原がお菓子をあげるとはな。」
「明日は槍が降るのだよ。」
ボソボソ呟く彼らに激しく同意。
そしてその紫っちは遅れるかもー、と気の抜けた連絡を寄越したっきり未だここには現れない。
『昨日の夜に敦に食べれなかったって連絡したのに返事なかったんだ…、征十郎のせいで嫌われちゃったかな。』
ボソッと伏目がちに言葉を零したなまえっちの切なそうな表情と言ったらそれはもう。
「元気を出してくださいなまえさん、紫原くんはそんなことじゃ怒りませんよ、少なくともなまえさんには。」
『そうかなテツヤ…。』
「そうっスよ、大丈夫っスよなまえっち。」
少し元気になったなまえっちとは反比例してズーンと効果音がつきそうな程落ち込み座りこんだのは赤司っち。
「敦に捻り潰される…!」
え、こんな気弱な姿見たことない。
「オマエほんとに赤司?」
青峰っちがそう言うぐらいには彼らしくない。
緑間っちも手に持っている黒髪をセンター分けにして触角のように数本垂らしたタカオと書かれた謎の男のぬいぐるみを床に落として
「はっ!俺のタカオが…!」
だとか言っている。

折角の休日なんだし楽しく過ごしたいのに今日はだめなのか。
思わず肩を落としてしまった。
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