10話
待ちに待った球技大会。
会場のセッティングや生徒の体調管理も考えられてか今日の朝練は全部活動中止。
おかげでいつもよりゆっくり寝れて俺の気分は絶好調だ。
浮かれ気分で岩ちゃんと並んで教室に向かっていると見慣れたシルエットが2つ。

「マッキー!まっつん!」
「岩泉おはよー、及川も。」
「おはよ。」
「おう!」
「ねーちょっと!俺はついでなの?」
「うるせークソ川!」
「ギャア!岩ちゃんなんで!」
まったく岩ちゃんってば暴力的なんだから。
これが愛のムチなの?
「てか5組朝からうるさくね?」
「本当だ、入りたくねー。」
「あ、あれの中心4姉妹だわ。」
「なんだ、あいつらか。」
「オハヨー4姉妹。」
「おはよ、バレー馬鹿。」
「朝から集合ですか。」
「そっちもな。」
「てかバレー馬鹿ってなんだよ。」
「ぎゃはは!」
朝から騒がしい4姉妹はいつもに増してキラキラしてた。
いやもう、ほんとにフィルターかかってた。
皆が皆おそろいの髪型でポニーテールをオシャレにしたようなやつで。
「おまえらすげえな…。」
「山本それ地毛?」
「失礼な!ちゃんと地毛ですー!」
『麻友って凄いよね!こんな綺麗にポニーテール作れるんだもん!』
「編み込み入れたりしっかり巻いたりして華やかさも出してるんだよ。」
「あ、こらなまえ、動かないで。」
『はーい!』
「もうちょっとだから、はいできた!」
『わーい!あたし可愛い?』
「「「可愛い!」」」
「あ、そうだ、うちら後ろのヘアゴムのリボンおそろいなんだ。松川写真撮ってよ。」
「いいよいいよ、準備出来たら言ってね。」
「はーい、バックピースで良いんじゃね?」
『真ん中肩組もうよ!』
「アリ!じゃあ松川お願ーい!」
「おまえら早い!」
それはそれは写真撮影を見ている側ですら感じる程の青春図だった。
「松川ありがとー!」
『男前ー!』
「かっこいー!」
「お父さーん!」
「おい誰だ最後の褒めてねーだろ!」
「うわ、バレた。」
「おまえか井上、こっち来い。」
「キャー襲われるー。」
「まっつんサイテー!」
「女の敵ー!」

そんな楽しい風景を4姉妹がそれぞれ写真に撮っていてあとから送ってくれたときには、俺らもちゃっかり混ざって青春してんなーと口角が上がった。

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