昼
「グランド100週後の授業は眠い。ね、エドちゃん。」
「ヒューズはいつだって講義は眠そうにしてるだろ。」
「ロイ、お前に聞いてないし。」
「二人ともうるさい。」
しぃーっと人さし指を唇の前にかざし睨むエルリック。
可愛らしい仕草に俺とマースはデレっと表情を崩した。
「まったくあんなふざけたやつらがトップ3だなんて信じられない。」
「ふざけやがって。」
どこからか聞こえてきた陰口に俺達は顔を見合わせて苦笑した。エルリックはギロリと視線で俺達二人に釘を刺す。
同期達はどうもギスギスしているというか……まぁ若いからしょうがないのだろうけど。
「はい、みんな静かに。」
程なくして教官が入ってきた。
ああ、医療の教官のじいさんは武勇伝やら武勇伝やらでなかなか講義が進まず退屈なんだ。
「えー、今日は心肺蘇生の講義です。と言うことでエルリック君、前に来て手伝って。」
「はい。」
てっきり人形か何かを使って実演をさせられると思っていたのだが、
「じゃあそこに横になって。今から実演します。」
「待て!この変態がー!」
「エドちゃんを放せ!」
「羨ましい!」
「セクハラかよじいさん!」
「エルリックさんを放せ!」
……ギスギスしていた同期の心が一つになった瞬間だった。
end
夜へ続く!エルリックさんはみんなのアイドル。