えっちなお兄さんはお嫌い?
俺には一つ下の可愛い彼女がいる。何が可愛いってもう全部。全て。髪の毛の先から足の爪の形まで可愛いのだ。そしてなによりエロい。エロ可愛い。ここまで言ってしまうと俺は彼女に「エロエロ大魔神!変態!」と罵られ殴られることもあるが、事実なのだからしょうがない。受け入れるべきだ。

例えばそれは昨日の夜。なまえの家に入ろうと鍵を回せば何故か鍵が掛かる音。まさかと思いながらももう一度鍵を回し、恐る恐るドアノブも回せば扉が開く音。またか。鍵も掛けないチェーンもしないのはなまえの悪いくせだ。そんなおっちょこちょいな所もかわいい。
リビングに入れば二人がけのソファが窓際に置いてある。そのソファには無防備に寝てる彼女の姿。


「(あ。またあのキャミワンピだ。)」

この前の裾めくるだけでパンツが見えるキャミワンピを着て夢の中にいる彼女。まぁ、鍵をかけずに起きてるなら目をつぶろう。だがしかし彼女は寝ている。こんな無防備な姿で。寝てるのだ。説教はもちろんしたいが今はなにより悪戯したい。好きな子ほどいじめたいのだ。


「…、あーあ。こんなカッコで寝て。」


俺は一つ彼女に呟いた。当然の事ながら彼女のまぶたは開かない。


「お兄さんがどれだけ我慢してるか知らないで。」


彼女の上に跨り頭をゆるりとなでた。前髪をかき上げた時にすこしなまえが身をよじった。


「お兄さんを誑かす悪い子には、少し教育が必要かな?」


まだ目を覚まさないなまえに不敵に微笑んだ。ついに我慢が出来なくて、衝動的に無防備な首筋に吸い付いた。首筋、というより首の少し下。太陽に当たる場所のそこは日に焼けることなく、白くて陶器のようだ。柔らかい指が吸い付くような肌もまた可愛い。


「…、ん…」


違和感を覚えたのか、なまえが身をよじる。しかしおれはやめない。なまえが起きるまで吸い付いてやる。

「(なかなか起きない…)」

「…、?」


ゆっくりと開く瞼。焦点がまだ合ってない瞳と目がかち合った。寝ぼけた顔もまた可愛い。

「おはよ。」

「…、……………?!うぁ?!へ?!」

「可愛い顔して。誘ってんの?」

「誘ってない!!!降りて!重い!」

「はは、可愛いねぇ。」


そう言ってまた別の場所に吸い付く。今度は何をしてるのかを見たなまえは真っ赤な顔で俺を殴る。


「ばか!!そんなとこにつけないでよ!てかなんでつけるの!!!」

「可愛いから」

「かっ、か、可愛いから吸い付くとか!!!意味わかんない!!!」


この変態魔神!!エロエロ大魔神!!!と、半泣きになりながら喚くなまえ。

「(それが反則なんだよなぁ…)」


素直になれないところも可愛い。そんなところも好きだから、何を言われてもなんとも感じない。それが俺らの愛の形だろ?だから俺は今日もなまえに囁く。




えっちなお兄さんはお嫌い?


(、嫌い!嫌いだもん!)
(嫌いか、そうかそうか、はは)
(や、大和……?)
(じゃあ好きになってもーらおっと)
(や、脱がないで!!ちょ!やぁあああ!!)
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