あささんと僕の日常

708:あささんと僕の日常 1 :2009/04/22(水) 01:16:41 ID:xLP7RBgJ [sage]
かなり遅くなりましたが俺と当時うちでハウスキーパー?メイド?まあ家計を管理したり
家政婦見たいな事をしていたあささん(仮)との話。
あささんは俺より一回り程年上で可愛く、母を早くに亡くした自分にとっては母替わりであり、
また姉のような存在だった。が…この人にはとんでもない癖があった!他人の耳かきをしたり、
角栓搾りや痂をかりかりするのが大好きで、今になってみると(今でも)ちょっぴり変態なお姉さんだったのだ。

Case1:耳かき嫌いだった僕をミミカキストにさせるきっかけの話

これは小学何年の時だったかな…僕は三歳の時母の真似をし自分で綿棒で耳かきをしようとしてケガして以来、
大の耳かき嫌いで年度始めの検診で耳かき溜まり過ぎと毎年のように言われてる子供だった。
「〇く〜ん耳かきしよっか?」その日の分の夏休みの宿題を終えた時にあささんが唐突に耳かきの話題を出した。
『やだ〜ぁ耳かきってカサカサ言うし、耳に入れるし痛いし』それに姉ちゃんはぁはぁするし…
何て思ったりしながら拒否をしてみる。
「え〜耳かき気持ちいじゃない、汚れたままだと病院行きになっちゃうよ〜」
『大丈夫だし』ホントは嘘だった。むずむずはしてたけど痛いのは嫌だし、何より恐かった。
「ビーダマン一つ」
『…いらなーい』
「ビーダマン二つ」
『…』
「ビーダマン三つ」
709:あささんと僕の日常 2 :2009/04/22(水) 01:22:12 ID:xLP7RBgJ [sage]
『…』
「…」
時間にしたら一分位だろうか?ビーダマンと耳かきを天秤に賭けて無言の駆け引きになる。
『じゃあやる』こずかいが少ない以上は折れざるをえない好条件だった、釣られたとも言う。
「ふっふっふ〜」

そんなこんなであささんはちっちゃい救急箱の容器を抱えて上機嫌らしく鼻唄を歌ってた。(確かボーイミーツガールかな?)
肘には紐のような物を引っ掛けていた「まず動かれないようにテーブルに縛るからね〜」
『ちょっ!姉ちゃんやだ、えが』
ニコニコ顔で帯で僕をテーブルに縛りつけるあささん。僕はただただブルブル、縛り終えると
セロハンテープを二つちっちゃく切って赤と緑のマーカーで塗ってテーブルに貼ってた。
「それじゃ耳かきしようね〜」
そう言うとあささんは左耳のひだの部分をウェットティッシュで拭いて汚い部分をクリクリとする。
『うっ〜耳がスースーする』既に涙目な僕、しかしそんな事はお構いなしに作業は続く。
だいたい拭き終わるといよいよかと縮こまる…が竹の耳かきで耳の裏の角栓を抜き始める、
少し強めにひっぱりながらも匙で押すのはあくまで優しい。

きゅ…きゅ〜きゅ、きゅ…きゅ〜きゅ…スッ、きゅ…

小気味よく抜かれて僕の目の前のティッシュに薄い灰色の角栓が乗っかっていく。手の温もりが心地いい。
710:あささんと僕の日常 3 :2009/04/22(水) 01:28:26 ID:xLP7RBgJ [sage]
「裏はよし…それじゃ」言いかけの流れのままにフチを匙が這い始める。

くしゅ…くく…くしゅ…カリ…ぺりぺり、サクッ

まだフチなのに相当重たく圧力が耳にかかる。
「うわ〜きったな〜い♪」
『…』
汚いと言われたのが恥ずかしいが、嬉しそうにとってくれるあささん。匙台の大きさの耳かすが
採られていき、あらかた採ったのか匙の当たり方が軽くなって来た。

「さてと…今から一気に奥までに入れるから動いちゃダメだよ。」
『うん…』ここまでは気持ちいいがやっぱり不安は大きい。
宣言通りゆっくりながら耳かきを鼓膜に触れるまで入れたところで手の動きが固まった。
『…どうしたの?何か…あったの?』凄く不安になる。
「んっ…テープでこれ以上入れちゃダメって印を点けてるんだよ。」
『ふーん…』これは耳かきをやる人が分かるように左と右でシールの色を変えて張っている。
後になって聞いたら僕のためにあささんが考えてくれた方法だった。
「今、痛い?」
『う〜恐いけど大丈夫』
「なら多分痛くなく終わる…」
そう言って耳かきを再び動かし始めた。
711:あささんと僕の日常 4 :2009/04/22(水) 01:33:27 ID:xLP7RBgJ [sage]

カリッ…カカカ…ぐっ、カリカリ…ぱさぱさ…ガサっ

少し剥がれただけなのに猛烈に痒い…頭が茹だるような感覚、匙が触れる度に痙攣する体、世話しなく動く両目、
目の前に積み重ねられる耳かす。
くっつけたら耳の形になりそうなものが幾つもあった。粉っぽく、たまにしっとりしていて、
まるで縁日の型抜き見たいな質感だった。

フーッ

「こっちはこれで良いかな。反対向いて〜」何だかいつもより時計の音が煩い。
『うん…』

がさがさ…がさがさ

『動けない…』
「あ〜帯解くか」
『うん』
「やってる時に動かない?」やり出す時に嫌がられたから一応確認された。
『ん〜動かない』
「じゃあ反対は縛らないでしよっか」
713:あささんと僕の日常 5(終) :2009/04/22(水) 01:37:37 ID:xLP7RBgJ [sage]
右も同じようにして行ったんだけど一つだけどうしても採れないのがあった。
「鼈甲もダメか…」
『もう良いよ…』少し飽きてきた。
「いや、今から秘密兵器を使うね。」
そういってあささんはキッチンに歩いて行った。手にして来たのはマックとか
ファーストフードのジュースに使われてる太いストロー、それを僕の耳に差し込んだ。
「煩いけど我慢してね…」

スーッ…スッ、ボー…ボー

細かいかすを息で吹き飛ばしてストローの先を塊と耳の間に少しずつ剥がしていく。

ガッ…ボー…ボー…ズズズ…

剥がれかけた所でピンセットを使い引きずり出したのはスズメバチの巣のような色をしていて
あまりにも大きな耳かすだった。

くんくん…

「いやん、くちゃい♪」
『あ〜』
「気持ちよくなかった?」『ん〜気持ちかも…眠くなった』
「嫌いじゃなくなったかな?」
『…』
うとうとして上手く返事が考えつかない…
「…〇君?」
『…またやって』
そのまま眠りに落ちた

あささんと僕の日常。おわり
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