サンデー

今日は世界が終わる。
正確に言えば地球が終わる。
それともう一つ重要なこと、
今日は日曜日だ。

僕の会社は祝日土曜日出勤で、休みが週一だから日曜日はいつも特別な日である。
唯一、僕の彼女に会える時間であるし、唯一、仕事を忘れてゲームができる大好きな日だ。
そんな日に世界が終わる。
ニュースによると、近辺の小惑星の消滅により飛散したその惑星の欠片、所謂隕石がこちらに向かっているらしい。アナウンサーが口を動かさずにそれを告げていた。
らしい、というかもう空を見れば「アレが世界を滅ぼすのか」的な思考も容易く出来てしまうくらい隕石が目で見て取れる。歪なそれは今は月よりもちょっと大きい。
僕はテレビ画面を見るのをやめた。辛い非現実的事実は見たくない。

隕石って当たったらやっぱり痛いのだろうか。
そんなことを考えながら、僕は無造作にリモコンを操作しセーブをしてテレビの電源を切る。
同時に彼女からメールが入った。待ち合わせの時間の確認であろう。
カーテンを開けると空には白い月だけしか浮かんでいない。
現実はそう簡単に滅ばないようで少し安心した。


fin


















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