嫌いって嘘じゃないから



「オ"ルラ仁王ッ!!」


教科書のカドで頭を叩かれ飛び起きた

「っにすんだ…丸井…」


コイツが標準語になった時は相当怒っているときか寝起きの時ぐらいだ、まっ要するに機嫌が悪い時だ。



頭を片手で押さえ後ろを振り向いてきた

軽く涙目になり眉間にシワをグッと寄せながら…


「お前こんなことしてタダで済むと思ってんのかよ、丸井…」

立ち上がって…まぁまぁ
大分お怒りになられてますね

「ハイハイ分かった分かった、教科書85ページ読め」


そう今は授業中
当てられるのにコイツが狸寝入りをぶっこいてやがるから起こしてやったんだよ

逆に感謝して欲しいぐらい


「無理、読めん」

不機嫌そうに先生に睨みつけ
席に座りやがった



その直後俺の脳天に鋭い痛みが走った
まるでかかと落としでもされたかのような


「…いっ!」


俯くのを我慢して前を向いたら
仁王が教科書のカドでやり返していたのに気がついた







「っんにゃろぉぉぉお"ッッ!!!」
仁王の襟に掴みかかった

絶対許さん殺す!!!!


「あ"、やるんか?くそブタ」

「てめぇっ…」
「やめんかァァァァァア!!!!」
隣の教室から真田の声らしき声の怒声が聞こえる…

あれ?真田?


「やべっずらかずぜ仁王!」

「ピヨ」

俺は仁王の手を引き真田が来る前に逃げてやった
その時に聞こえた


"仁王と丸井って何だかんだいって仲イイよな"




「どこがだよ」
ボソリと呟いて俺達は逃げた






嫌いって嘘じゃないから

(俺は嫌いだつーの…多分)
(何言っちょるんや)








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リゼ