初恋リセット






「「「・・・・・・・・・」」」





神よ、これは何の嫌がらせですか?


三蔵一行はアルカリ性と酸性の関係で中和された関係コンビがいるから均衡がとれているがこの不良破戒僧と女好きチンピラはなんかもう駄目だ、酸性と酸性が混じってただの劇薬しかならない。てか、その劇薬コンビの中に投げ込まれた私ヤバい。アルカリ性の八戒さんと悟空がいない今、私一人では中和出来ないし、この際だからハッキリ言わせてくれ、不良とチンピラ怖い。絶対私以外でも、この2人を相手にしたら恥なんぞ捨てて逃げる。その前に私は重大で確実に大事なもの失くしかねない自体に陥った。



「“セックスしないと出れない部屋”?」



(ほぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)


悟浄さんがそれを読み上げた時、ムンクの叫びになりそうだった。読者の皆さんならわかるTwitterでよく出てくる例のネタが襲いかかった。そう、単にエッチすればいい・・・そうすれば出られる。これで三蔵さんと悟浄さんだけなら、タダの面白いコントになるが此処には私がいる。もう一度言うね・・・私がいる。



「はっ、馬鹿らしい・・・」



「三蔵サマ、小一時間ぐらい格闘してもよー開かないならヤルしかないだろうよー?」



確かに1時間くらい部屋を銃や錫月杖とか法術で攻撃しても傷一つつかないし、壁の繋ぎ目すらも見つからない。それなら、パネルに表示された文章に従うしかないかもしれない。


「何をだ?」



「何ってよ・・・桜弥チャンとsexするしかないだろう」


「あ゙あ゙?」



恐れていた事態が起きつつある、タダでさえ険悪な二人とそんな付き合いが長くない私。片方は女遊びが激しいチンピラ河童、片方は鬼畜不良目僧侶。物理で勝てますか?無理だな、三蔵さんはアレアレで物臭なだけで実力あるし、悟浄さんは喧嘩強いし、寝技得意だから圧倒的に不利。どの道アウトだ、ドヤ顔で現役女子高校生にセクハラ発言かますなエロ河童。




「イヤ・・・・・・・私、未成年者ですし・・・女子高校生に成人男性が手を出すと捕まりますよマジで」


法律であるからでも、16歳で結婚出来るって矛盾があるけどな!!


「まぁ、そんな背徳感がそそると言うか・・・・・・現役JKの柔肌を堪能したい好奇心があるわオレ」


八戒さんんんんんん!!!!
この人に教育的指導をしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!気功術で悟浄さんのご子息を殺さないと色んな意味でヤバイから、最高僧の前で公開プレイとかヤバイ。もっとピュア恋がしたかった・・・こんなハレンチToLOVEみたいな展開要らないわーその前に初恋の人(生まれ変わり)の前で処女散らすの?何処のエロ同人だよ!!


「だ、誰かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!八戒さんんんんんん!!悟空ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!Help meーーー!!」



三蔵一行の保父さんと最後の良心の名前を叫ぶが届かない。だけど、悪あがきしないとエロ同人展開になる、完全にエロ同人になる。絶対にトラウマになるから全力で足掻く、絶対にやだ。


「わ、私処女だ、し・・・!!八百鼡さんみたいにスタイル良くないよ?あと、胸は控えめだしな!!」


「いや、綺麗な銀色の瞳に白桃みたいな小ぶりなお椀型の胸、綺麗な脚線美だし。あと、スゲェ肌が綺麗だからいっぱい付けてみたいわ・・・キスマーク」


あっ、アカン・・・これはヤバイ。エロ河童だけど、この人も美形の部類だ。本気と書いてマジと読むだ。後ろは壁で足の間に悟浄さん自慢の長脚が入ってるし、顎クイされてるし、恋愛小説でこんなシーンがあったけど現実で「無いわ」と鼻で笑っていたけどただ経験不足だっただけだね!!いろいろしんどい!!自分の恋愛偏差値の無さを恨む!!初エッチしたくない、マニアックな初体験やだよ。



「大丈夫、大丈夫、痛みよりも快感をかんぐぇ「い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ、視姦プレイとか私には身が重いぃぃぃぃぃぃ!!!!助けてぇぇぇぇぇぇぇ、捲にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!天ちゃんんんんんんん
!!」



プライドもない可愛げもない悲鳴を上げながら今は亡き大好きなお兄さんズの名前を呼ぶが、悟浄さんに金的蹴りする。ロクデモナイことをしようとしているのは捲にぃちゃんの生まれ変わりだった。人の前世を知っているといろいろしんどい、得に初恋の人とかあんまり直視出来ないからしんどい。もうやだ、いっそ一思い殺せ。


「おい、ぎゃぁぎゃぁうるせぇぞ・・・柴犬」


「ひぇ・・・・・・」



鬼畜不良僧侶様とぶつかった死ぬ怖い。金蝉さんの生まれ変わりなんて信じない、怖いし、私のこと睨むし、話し掛けても無視するし、私が何をしたんだ。仁王立ちする三蔵様に反射的に正座なる私。


「おい、柴犬」


「な、何ですか・・・玄奘様・・・」


「チッ・・・」


「・・・ぴぇ」

舌打ちすると私の横に座り込み、愛用のマルボロを取り出すとタバコを吸い始める。垂れ目の割には鋭い眼光で私を見た。


「・・・お前は誰に俺を重ねている」


「・・・・・・っ」


やっぱり、見抜かれている。私は三蔵さんを見ていない、その面影に金蝉さんを見ている。


「・・・すいません、玄奘三蔵様。以後気をつけます・・・もし、お気に召さなければ、私を解任しても構いません」



やっぱり、私は此処にはいない方がいい。存在しない私は此処に居ても意味無い。500年前だって、悟空や金蝉さん達にとって私は大した人間じゃあないだから忘れられたんだ。


「俺は解任なんぞ出来る立場では無いし、貴様は観世音菩薩の命で俺の警護している。」


「なら、三蔵様にあんまり話し掛けないように「貴様が気に食わないが、解任する気もない」


何それ・・・よくわかんないし、どうしたらわからないじゃあないか。嫌われてるのに離れるなとか矛盾しているじゃあないか。


「もういいです・・・観世音菩薩様に解任するように直談判しますから」


なんかもう、この人は私をどうしたのかがわからない。




「何のつもりですか・・・」


離れようとする桜弥の腕を掴むと紫闇の瞳に射抜かれるも睨み返しながら、尋ねる。

「貴様を一人にするような男なんぞ、忘れちまえ・・・そいつを思い出す度に毎晩泣くのはやめろ」



「なんで知っているんですか・・・泣いているの」


声を押し殺しているのになんでこの人は分かるんだろう。





「てめぇの泣き声はうるさくて寝れないんだよ」


「声は押し殺していますから聞こえないよ」



「うるせぇ、ずっと聞こえるんだよ」



悟空の時のように三蔵の耳に誰かの声が聞こえるようになった。小さな声、聞き取れないが誰かを呼んで泣いている声が声の方に向かうと泣き疲れて眠る桜弥の姿があった。





「・・・じゃあ、無視すればいいでしょ」




「出来るかよ・・・・・・人の心を奪っておきながら、何一つも触らせね気かてめぇは」



初めて出会った時、妙に惹かれた。
悟空達にはすぐに打ち解けたが、俺とは距離を置いた、その癖ヤケに突っかかるが。ある日、八戒から話を聞いて、桜弥の初恋の男に俺が似ていると知った。男は桜弥に約束したらしい、「下界に来たら、花見をしよう」と。だが、
その男は桜弥を謀略から護る為に死んだらしい。それをあの女は引きずり、俺を見ないようにしていると。馬鹿らしい、俺はてめぇとの約束を護れずに死ぬような貧弱野郎じゃあない。この前はそのクソ野郎と俺を間違えて抱き着いたことが胸糞悪い。今もこいつは悩んでいる。だから俺はこいつが欲しがってる言葉を掛けてやる


「三蔵さんは・・・っ!!?」



「俺は貴様を置き去りにはしない」


「ーーーーーっ」


「真神使いだろうが、異界の祓魔師だろうと意地でも探し出して傍にいてやる。だから、俺の隣にいろ・・・桜弥」


「・・・・・・三蔵さん」


「・・・・・・何だ」


「ちゃんと、言葉が欲しい・・・じゃあないとその・・・三蔵さんの言葉に答えられないから」


「ちっ、図に乗るな・・・」


「じゃあ、答えてあげない」



嬉しそうに笑う桜弥の姿に舌打ちしながら、タバコを吹かす三蔵。その顔は機嫌が治った姿を悟浄は目撃して、2人を弄り、また冒頭に戻り、桜弥が3Pされそうになり、悟空が部屋を壊し助けに来て、その様子をみた八戒がブチ切れるまであと1時間・・・。
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