killer(3/3)
「聖ダリウス王国第二王子レン・ダリウス、リミナル国宰相カムエラ・リリィ。お前達の命、我らが頂戴する。」
ルミナスはそう宣言し、二人へと近づいていく。
「殿下をお守りしろ!!」
一人の兵士が叫び、ルミナスに突撃した。それでは駄目…!
「チィッ!雑魚がぁッ!!」
「ぐわぁっ!」
「ぎ、ぃあぁァァァ!!」
断末魔の叫びが聞こえる。普通なら目を背けたくなるような光景だが、私は平然としていた。
「リラ……?」
茫然としたレン様の声が聞こえる。私はその声の方向へと冷え切った瞳を向けた。
「何故、リラが此処に…?」
レン様の様子を見ていたルミナスが何事かを考え、そして嗤い出した。
「なんだぁ?お前、コイツのことが好きなのかぁ?…ギャハハハハ!!イイこと教えてやるよ。コイツはな、お前を殺す為にお前に近づいていたのさ!!」
ルミナスの言葉に信じられないという顔をするレン様。
「――本当のことですよ、聖ダリウス王国第二王子、レン・ダリウス。」
私がそう言うと、レン様は絶望的な顔をした。しかし、それは一瞬で失せ、哀しそうに、でもあの柔らかい笑みで微笑んだ。
「そうか…。君が何かを隠していたのは知っていたが……。…リラ、おいで?君に殺されるのなら、悪くない。」
そう言って剣を捨て、両手を広げたレン様。………レン様、レン様、レン様ぁっっっ!!
「だってよ、リラ。お望み通りやってやれ。」
ルミナスに言われてレン様に近づき、剣を振り上げた。そして―――
「ぎぃやぁぁァァァ!!」
ルミナスへと振り下ろした。
「何をするッ!?」
凄まじい顔で、肩から血を流すルミナスへと向き直り、剣を構えてから、レン様へと声をかけた。
「レン様!お逃げ下さい!!貴方は私がお守りしますッ!!」
もう、自分に嘘は吐けない―――――
――――――――――
たぶん、続きを書きます。
…happy endが好きなので(苦笑)
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