killer(2/3)
 あれから、一週間が経った。今はルミナス先輩を迎えに行っている途中だ。…レン様は今、リミナル国という国の宰相と会談中だ。



 三年程前からリミナル国と聖ダリウス王国の国交が盛んになってきていた。リミナル国は軍事国家、聖ダリウス王国は魔法国家で、それぞれ実力もある。そんな二つの国が急に仲良くなり、ましてや『同盟を結ぶらしい』という噂まで流れた。…他国にとっては脅威以外の何物でもない。
 だからなのだろう。私に指令が下されたのは。 そして、私に下されたのはただ、レン様を暗殺するだけではない。リミナル国の宰相の暗殺もだった。…二人は各国で実質的なNo.1だ。だから我が祖国の王は二人を暗殺し、その混乱に乗じて戦争を仕掛ける気だ。もう既にその準備は整っている。だから、今、作戦を実行するのだろう。

 しかし…三年前と変わってしまったことがある。それは、私の気持ちだ。
 …そう、私は愛してしまったのだ。レン様を。

 私は幼少時から暗殺者として育てられ、感情を要らない物だとし、捨ててきた―――はずだった。
 しかし私は完全には捨て切れていなかったらしい。どうしようもなくレン様が“愛しい”…!

 でも、私は暗殺者。任務は完璧にこなさなければならない。………嗚呼、この想いはどうすれば良いのだろうか。助けて―――レン様…!





 「ぃよう。久しぶりだなぁ…!」

 考え事をしていたら何時の間にか目的地に着いていたらしい。目の前にはルミナスがいた。

 「お久しぶりです、先輩。」
 「あぁ…。……綺麗になったなぁ。」

 そう言って顔を近づけてくるルミナスに鳥肌が立った。煙草臭い息にヤニのこびり付いた歯………気持ち悪い!!
 私が顔を背けると、ルミナスはゲラゲラと下品に嗤った。

 「嫌がる女を無理矢理っていうのも、イイよなぁ。」

 そう言いながら近づいてくるルミナスからサッと距離をとり、「早く任務を終わらせましょう。」と言うと、チッと舌打ちしながらも退いた。
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リゼ