killer(1/3)
「聖ダリウス王国第二王子、レン・ダリウスを………殺せ。」
「御意―――」
あの“指令”が下ってから三年が経った。私―リラは“その時”が来るのをレン王子の側でじっと待っていた。そして、遂に―――
『親愛なるリラへ
一週間後くらいには、お前に会いに行けそうだ。
早くお前に会えることを楽しみにしている。
お前の愛する先輩、ルミナス』
この手紙の意味は『一週間後、計画を実行する。準備しておけ。』だ。ちなみにルミナスは私の先輩にあたる人で、恋人では断じてない。……あんな下衆と誰が付き合うか!ただ…実力は確かだ。
「―――ら、リラ?どうした?」
その柔らかな声にハッと我に返った。
「いえ、何でもありません……―――王子。」
私の返答が気に入らなかったのだろうか、王子は不機嫌そうな顔をして
「二人きりの時は“レン”と……。」
そう耳元で囁くものだから、ゾクリと背筋が震えた。
「レン、さま……。」
私が名を呼ぶと、おう……レン様は嬉しそうに微笑んだ。
あぁ、私は一週間後、この笑顔を壊すのだ。
そう思うと、胸の奥がズキリと痛んだ。
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