09
「………ふん。
小娘が。もう寝る。」
『えぇー……。』
モソモソ干し草毛布の中に潜り込み、ジャストフィットする所を探しているらしい。
あたしは何処で寝ればいいのか…。
因みに今着てる服はゆったりとした大きい男物の服だったりする。
そしてこれがまた太股の真ん中まであってちょうどよかったりする。
何故あるのか、とトラ公に問えば返ってきた返事は「小生が着るから」
……トラなのに?
「何をしておる。」
『はい?』
「早く来い。風邪ひくぞ。」
干し草毛布から顔だけだしてあたしに話し掛けているようだ。
『いいの?そっち行っても。』
「いいから来いと言っているのだろう。早くせんか。」
ムスっとした誘いを無下に断ることも出来ないからお邪魔させていただく。
『あ、暖かい。』
「小生の体温もあって一段と暖かいのだろう。」
布団に包まるとトラ公がお腹辺りに擦り寄ってきた。
『どうしたの?ご飯なら無いよ。』
「……友達。」
『共食い?』
「友達!」
トラ公の摩訶不思議な言動に?だらけだ。
「だから!この小生が名前の友達になってやろうと言うのだ。」
コイツツンデレか。
『ツンデレ間近で見るの初めて…。』
「ツンデレ?」
『あ、なんでもないです。
そっか友達なってくれるんだ。
ありがとね。』
「ふん!
それより腕枕しろ腕枕。」
腹の辺りでゴソゴソしてた毛玉が腕によじ登ってきた。
『可愛い…。』
ぽつりと漏らした言葉に「カッコイイと言え」って怒られた。
丸っきりガキじゃん。
本当に168歳なのか若干疑いがかかった。
……明日、ちゃんと名前考えてあげよう。
(だからおやすみなさい)