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「そのトラを俺達の仲間にする。
面白いだろ、喋るトラ。」
「船長、ここを動物園か何かにするつもりですか?」
シャチのげんなりした声をBGMにちゃくちゃくと準備を進めていく。
「ってかトラ捕獲なら人数が多いほうがいいじゃないですか!だから俺も冒険行きたいです!!」
「お前馬鹿か。」
「なんでですか!?」
「強制に連れて来るわけじゃねぇんだ。
全員で行って相手のトラを威嚇するわけにはいかねぇだろ。
そこでベポが必要な訳だ。」
「え、俺?なんで?」
「おんなじ獣同士会話できるかもしれねぇだろ。
ってな訳でシャチ、留守番は任せたぞ。」
「(どうせ強制にでも連れて来るくせに…。)」
「…何考えている?」
「いえっ!
何でもないです!じゃ失礼します!!」
一睨みしてやればシャチは風の如く走り去った。
「それじゃ俺も用意してくる!
また後でね、キャプテン!」
「あぁ、そんなに長居はしないつもりだがな。」
「アイアイ!」
―――――………
「さて、どうやってトラを見つけるか…。」
「取り合えず動き回ってたら出てくるんじゃないかなぁ?」
早速上陸したのはいいが、目的の相手が何処にいるかがサッパリ掴めない。
「キャプテン、別行動する?」
ベポの提案に付いてきてた何人かの部下も賛成の意を示す。
「……そうだな。
2手に別れるか。
目標物を発見したらこれを打ち上げろ。俺も発見したら打ち上げる。
全員夕日が暮れる前に船へ戻れ。」
「え?¨俺¨ってことはキャプテン単独で行動するの?」
「あぁ。お前達は固まって行動しろ。俺は単体で十分だ。ついでに食糧も確保してきてやるよ。」
煙玉をベポに手渡すとジャングルの中に足を踏み入れた。
(しばしの別れ)