Sweeeeet 3

「それじゃ、バースデーソングを歌おう」
「いいよ恥ずかしい! ね、バーナビー?」
「そうかな? 僕も楓ちゃんの為だったら喜んで歌うよ」
「パパが歌うよ! バニ…バーナビーはコーラスだ」
「何言ってるの! パパはビデオ係!」
「ええー!」
「はいはい、それじゃあ皆で歌いましょうよ」

可笑しくてたまらないという風に笑って、バーナビーが提案した。
すぐに肯定した少女と、今にも吠えかからんとしている虎徹と。

(ずっとずっと、このままでいたい)

バーナビーは笑いながら、この時間が永遠に続かないだろうかと思った。
それが叶うか叶わないかは別として、そう願うことに意味があるのだと教えてくれた男がいた。
多分自分は、彼の為になら何も怖くないのだと。

バーナビーは眩しいくらいの笑顔に囲まれて、祈りにも似た思いにしばし、蓋をした。







おわり
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