綱雲綱?で10年後。純粋なCPではない。
死ぬなら君以外とがいい。
なんて、キスした後に言われてしまって。
それはどう取ればいいのかなぁ、って少し悩んだ。
一緒に死んでほしいなら簡単なのに、どうして彼は面倒なことを言うんだろう。
「じゃあ、あなたは誰と死にたいんですか?」
純粋な興味だったのかもしれない。
孤高の浮雲が選ぶ心中相手に、興味があっただけの。
彼は束の間表情を曇らせた後、君には全く縁がない人だよ、と呟いた。
どうやらそれ以上吐くつもりはないらしい。
残念だなぁ、って思いながら、また唇に口づける。
一瞬触れては、すぐに離れて。
飽きもせず、何度も繰り返す。
「君はこの先は望まないの?」
焦れったい、と言いたげな視線を向けられ、結んでいたネクタイを引っ張られる。
首が絞まるとまではいかないけれど、ちょっとは痛むわけで。
尤も、彼の意図はわかっているけれど。
「何? オレに抱かれたいんですか?」
クスクスと笑えば、勢い良く喉元に噛みつかれた。
じわりと滲んでくる血を、ぺろりと舐められる。
小さな声を洩らしてやれば、明らかに不機嫌そうな空気が二人を纏った。
「わざとらしいんだけど」
「あなた程度の力量でオレが本気になるとでも?」
揶揄してやれば、噛み傷に思い切り舌を捻じ込まれた。
「……っ」
不意打ちの攻撃に、一瞬だけ顔をしかめる。
皮膚を破って肉を犯していく痛みは正直半端じゃない。
馬鹿力もいいところだ。
無理に舌を動かされる度、身体中を駆け巡る激痛に逃げたくなった。
表には絶対出さないけれど。
「へえ、よく声出さずにいられるね」
「……っ、あなたこそ、こんな馬鹿げたことして……“あの人”にお仕置きでもされたいんですか?」