いっしゅうねん
2013.05.05 Sun 21:21
あれは去年のゴールデンウィークだった。
夕暮れもすっかり過ぎてしまった午後8時ごろ、人生で初めての楽器屋に居た。
もう閉店まぎわで、ほとんど客のいないなか、私はどぎまぎしながら店員さんに声をかけたのだ
「ギターが欲しいんですけど」
店内をぐるりと一周しながら、まだギターに触れた事もないわたしに、店員さんは丁寧に色々と教えてくれた。
女の子だからネックが細いやつがいい、とか
やっぱり初めてならストラトがいい、とか。
しかし私は見つけてしまったのだ
右の奥のあまり目立たないスペースに吊るしてあるレスポールを。
それはもうほとんど一目惚れと呼べるものだったと思う
赤と黄の、コントラストの強い色と木目から目が離せなくなってしまった。
店員さんが、この赤のストラトなんていいんじゃないかな、と話すのを聞き流しながら。
その日のうちに、直感的に感じた、杉山、という名前をつけてあげた。
杉山を私の部屋に置くと、堂々と偉そうに立ちそびえるその存在感に、部屋が狭く感じた。
チューニングに10分もかかっていたあの頃は、ほんとこんなたいそうなモノ使いこなせるのか、と少し不安だった。
でも、こちらが先に惚れてしまったものだし、なんて、半分意地になって毎日弦を弾いた。
あれからもう一年も経つ。
よく調子が悪くなるし、ネックは太くて弾きにくいし、重くて私の肩を痛めてくる杉山
私みたいな下手くそなギタリストが、立派なあなたを手にしてしまってごめんなさい
たくさん傷をつけてしまってごめんなさい
でも、初めて一緒にステージに立てたのがあなたで本当によかった
ここまで一緒に頑張ってくれてありがとう
どうぞ、これからもよろしくね
あなたのすべてが愛しいです
since.2012.05.04
ぎ、ギャグじゃないからね!
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