47000 キリリク
ヨッシー様
47000キリリク
余市とマッカイの甘々
※2人が逃亡生活をしていた頃の話です。
森でマッカイと暮らし始めて早3日。
最初は追っ手や、慣れない生活に不安を覚えていたが、ここでの生活は悪くない。
湧き水も飲めるし、マッカイが果実(見たことないような形状だが味は美味しい)を採ってきてくれるから食べ物に困らない。
不眠不休で生徒会の仕事をしていた頃よりもはるかに健康的な生活である。
そんでもって小さいとはいえ、雨風しのげる小屋をオラウータンの獣人から借りることができたので、衣食住のうち食と住は確証された。
問題は服である。
まさか獣人達が自分の毛皮を使うわけもなく。
どうやら皆麻でできた腰布を巻いているようだ。
だが、正直毛皮のない俺にとっては着心地が良くない。ターザンもこんな感じに過ごしていたのだろうか…
仕方ないので、とりあえず水浴びをしている間に制服を洗って、乾く間だけ腰布を借りよう…
幸いちょうど良い湖があったはず…
「マッカイ、水浴びに行きたいんだけど…」
食料を選り分けるマッカイの背中に声を掛けるとサッと振り返り、くい気味に返事がきた。
「危ねぇからオラも行くぞ!さっ、ヨイチ!」
そして俺は、過保護な白い獣に手を引かれるまま湖に向かうのだったーー。
「ぷはっ」
気持ちいい!
実に5日ぶりの行水である。
制服もバシャバシャと水洗いし、木に掛けておく。
「ヨイチ〜ここに替えの腰布置いとくからな」
「ありがとう」
照れている(?)のか、顔を背けてマッカイが浅葱色の布を置いてくれた。男同士なんだし別に見られても構わないのに。
苦笑しつつ、腰布に手を伸ばしたところだった。
「あ、そういえばタオル…なぁ、マッカイ何か体を拭くものあるか?」
こっちの世界にタオルはあるだろうか…?まぁ、最悪自然乾燥でいいか。
返事がないので、腰布を巻くと頭を振って雫を払った。
「ああ、もう出るか?そのままだと風邪引いちまうな。さ、こっちさ来い」
自分の毛皮の中に入れてくれるのだと思ってマッカイに近づいた、が。
「うひゃあ!?」
と、と、突然首をな、な、舐め…
俺が固まっているのを横目に、マッカイは水を舐めとるように首、背中、頬に舌を這わせる。
ああ、そういえば実家の猫たちは毛が濡れると舐めていたな…そうか、動物は舐めることで体を乾かすのか…!
ひとつ賢くなった!と現実逃避してみても状況は変わらず。こう、舐められる経験なんてもちろんないから、なんだか変な気分になってくる。
特に首筋と、胸の辺りを優しく舐められると、甘い痺れが舐められた所からじんわりと広がるようで、ムズムズしてくる。
けれど、マッカイはそしれぬ顔である。さっきは俺の裸を恥ずかしがっていたくせに…
「ペロッ」
「ん…」
「ペロッ」
「っ、」
「チュ、ペロ」
「〜〜〜っ!」
1人悶える俺と下心のない愛情で舐めるマッカイ。これ元の世界だったらなんて言うんだ?バター犬、は意味が違うか。ああ!腿のあたりは舐めなくていいから…!
マッカイ!
そして俺は風邪を引かないように、という彼の優しさから、その後もかなりしつこく体をペロペロされ、すっかりぐったりしてしまうのであった…。
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