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「オイ、こいつ一体…」
「ヤベーよ、こいつぁ見たことねぇけどアレだよアレ!」
・・・声が聞こえる。
あれ?俺、生きてる?
ここは一体・・・
重い瞼を無理矢理こじ開ける。
保健室かはたまた病院か。
そう予想していた俺は心臓が飛び出るくらい驚いた。
ナニコレ夢・・・?
俺を前にして話していた二人・・・いや二匹はどこをどう見ても猿とウサギだった。
しかも普通の動物じゃない。
耳とか毛皮とかはいつも見ているやつと変わらないが、目の前の二匹は二足歩行しており、俺と同等かそれ以上に良いガタイの持ち主だった。
これは疲れと、精神的ダメージで悪夢でも見たな。
そう思って頬を抓ると。
「痛ってー!」
「「!!!!!?」」
目が覚め、ない?
「おおおおお!動いたど?」
「つつつ捕まえんさい!王様に献上せな!」
あ、ヤバイ。
ただでさえ体調の悪い俺が二匹の獣人?に敵うわけもなく、あっという間に両手足を縛られ、馬車の荷台に積み込まれてしまった。
荷台の中で二匹の会話を、聞いてわかったことは@ここは森の王国A言葉は通じるB多分人間は俺だけC今から王都へ行って俺を王様へ献上する予定。
あとは、精霊という単語が聞こえるが何の意味なのか判らない。
一体俺はどうなるんだろう。
異世界トリップならもっと、RPGみたいな世界とかで活躍したかったぜ。
ついた先がワイルド版どうぶつの森だなんて冗談キツイぞ全く。
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