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なんでも、精霊=人型のふたなりで幽霊みたいな存在らしい。
それは、わかった。
なぜ俺がふたなりになっているんだ!!?
「おーほんとに空いてるー」
「○☆%\*!!?」
いっ、いい一匹が俺ん中に指入れてきやがった…!
なんだこの感じ…っ
気持ちっ…
「ん、んっ!」
やべ、変な声出た。
「すげぇ…グチャグチャいってる」
「クンクン。ほんとにメスだな…」
「やべぇ、興奮してきた…!」
ハァ、ハァ、と獣じみた…いや、獣か。荒い息が顔にかかる。
完っ全に発情してんじゃねーか!
あれだ、雰囲気がヤバイ。
涎が頬に落ちた。
あ、喰われる。
「ごらぁああああー!何やっとるだかオメーらぁぁぁぁ!やめねーかぁぁぁ!」
生活指導の鬼先にそっくり…
場違いながらぼんやり思った。
だが、外見を改めて見ると驚愕する。ライオンだ…しかも真っ白な。今まで見た獣人の中で一番ガタイが良く、それでいて神々しい。
突然の乱入者に三匹が動きを止める。さっきの雰囲気が嘘のようだ。
「違うんです、マッカイさん!これはその、えっと」
「いいからオメーらはとっとと出ていきな!オラが後始末すっから。このことが上にバレたらヤバいべ。もう検査は済んだろ?さ、行った行った…」
三匹を追い出すと、俺に服を着せ、更には毛布まで貸してくれた。
「大丈夫か?」
「あ、ああ、悪い。」
ここんとこ荒んだ生活をしたせいか、はたまた予期せぬトリップに心が弱っているのか。
優しさに思わず、涙が出てしまった。
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