3日目☆9月3日
お題「苺大福」「賞状」「鈴虫」

…☆…☆…☆…☆…☆…

もぐもぐもぐもぐ……。

僕の隣でひたすら苺大福を食べている少女。
ショートで少しパーマがかっている髪は水色。瞳は青色をしている。肌は白くてすべすべしている。
とても美人で可愛い、カノジョにしたい感じの女の子だ。クラスの女子の中には、こんなに可愛い子はいない。
しかしこの子は、人間では無い。

読書感想文の賞状のご褒美にと僕の大好きな苺大福をおやつに貰い、うきうきしながら階段を上り自分の部屋に行った時だ。
ガタガタガタと窓ガラスが揺れていることに気付いた僕は、カーテンを開けて窓の外を見てみた。
するととても可愛い女の子が助けを求めて窓ガラスを叩いているようだったのでそっと窓を開けてみると「お腹がすいたから何か食わせろ」と言って無理矢理入ってきたのだった。

見た目は可愛いけど言葉遣いは乱暴だし、何しろ人間じゃないし残念過ぎる。
僕の部屋が1階にあったら人間だと信じていたかもしれないが、2階の窓ガラスを叩けるなんておかし過ぎる。

「ねぇ、苺大福食べ終わったら帰ってよ?」
もぐもぐと苺大福を食べている少女に向かって、僕は切実なお願いをした。
「言われなくても帰るわっ」
少女はパーマがかった水色の髪を揺らしながら、強い口調で答えた。
まるで「こんなとこ、こっちから願い下げだ」と言っているような感じ。
「何でお腹が空いてたの?」
気を取り直して少女に質問をしてみると、信じられない回答が返ってきた。
「美味しい鈴虫が上手く捕まらなかったんだよ」
「えっ?」
僕は思わず聞き返してしまった。
鈴虫って、あの鈴虫だよな?この頃よく鳴いてる。

「あー、美味しかった!ありがと。助かったよ」
少女はそう言って、窓から空へととび出して行った。

「ちょっと待ってよ!鈴虫って……。」
僕は叫んだが、少女の姿はもうどこにもなかった。

後には苺大福が乗っていたお皿だけが残されていた。

開け放たれた窓の外からは、鈴虫の合唱が聞こえた。

…☆…☆…☆…☆…☆…

何だか色々と、すみませんでした!(土下座)
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