「こいつは俺のものなんだ。悪いけど、触れないで」
「ひィィ」
子供が風丸の迫力に押され、小さな悲鳴をあげて逃げていった。
「なんでそんなことするんだよ」
風丸をジッと睨み付けている円堂は、くるんとした尻尾と耳が生えた柴犬である。
「当然の事を言っただけなんだが」
風丸の艶やかな尻尾がゆらゆらと揺れる。
「恥ずかしいから止めてよ…」
「…顔が紅いようだけど、どうしたのかな?」
「風丸のせいだ!!」
わかってるくせに!!
円堂がそう言うと、風丸は笑いながら彼の頭を優しく撫でた。
すると、耳が垂れ、恥ずかしそうに自分の服を掴んだ。
かわいいよ、円堂。
ペットにしたいよ。
「円堂!」
「あ、豪炎寺!」
ホワイトライオン…!!
風丸の顔が険しくなった。
豪炎寺は円堂の頬っぺたに手を添えると、円堂は更に顔を紅くさせた。
「風丸、毛並みが逆立ってるぞ」
「そんなことない」
豪炎寺の言葉に、あくまで否定する風丸。
円堂の頭や頬っぺたを撫でる度に、豪炎寺の白い尻尾は揺れる。
この、エロライオン!!
「なあ、3人で昼ごはん食べに行こうぜ?」
円堂は、にかっと笑いながら、ふたりに提案した。
「「そうだな。なんか食べに行くか」」
「「っ!?」」
ふたりして同時に答えた。
無言で互いを見つめる。
「仲いいんだなー。さすがネコ科」
ポンッと手を叩く円堂に、風丸と豪炎寺は、心のなかで「こんなやつと一緒にしないでっ」と嘆くのだった。
「肉がいい?魚がいい?」
「魚」「肉」
フシャー!!
ガヴヴヴヴヴ!!
「なあ、威嚇するなよ」
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