darling darling

 













 




…ねぇ、本当に好きだった?














「……」

ボッと空を眺める。
今日も相変わらずの白い空にオレは悔しかった
だって心は荒んでいて、なのに空気は澄んでいて…
どうしたらいいのかさえ、その動機がワカラナイ。

「万丈目…。」

オレはお前と会って何が変わったのだろう。
最初の頃は二人、一緒にいるだけで本当に嬉しかったな。
なのに少し前のオレ達は会えば喧嘩ばかりしていた。

同じ時間を、長く居すぎたのかも知れない。

風向きは東へと…

座っていた。
地面についてた部位が冷たくなって冬を知った。

今やっと、オレは立ち上がり自分の家のベランダから部屋へと入った。

部屋はお前の匂いだけしっかりと残っていた。
そもそもそれが嫌でオレはベランダで黄昏てたんだ。

「きっと愛とか友情って、似たようなものなのかも知れないな…。」

心地良かった低い声が耳に今も残っているのに
なんて、切ないんだろう。
あの頃何もかもを信じてたな、と昔の栄光。オレはいつまでこうして落ち込んでいたらいいのだろう
そんな事思いながらまた胸は沈む。

そんな雲谷を取り除かしたくてオレは外へ出た。
まっさらな空はオレの心を汚して行くばかり

どうしよう、どうしたら…オレの心は報われるかな?
現実逃避、責任逃れ、被害者妄想

何度も何度も自分の腕を噛んで、何度も何度も痛かった。

アイツと一緒にいるときに放つ台詞一つ一つを大切にしていたつもりなのに

ああ…愛するって難しいんだなぁ…。

「あー!!なんだかムシャクシャしてきた!!」

もうどうでもいいや
なにもかも。

アイツの事も、自分の事も。
だってそんな事を気にしてたって気分だけは汚れていて心は晴れないし。

そんな腐った考えを繰り広げながら下を向いて歩いていると、小さい猫が一匹路頭に迷っていたようにさまよっている姿が目に付いた。

「………」

だけれどオレの心はすさんでいる。そんな猫なんか今はどうでもいい。

明日は明日の風が吹くし…。

ああ、darling

今お前はなにをしている?
なにを思って誰と一緒に何を思う?


明後日オレは生きてるかな
車にぶつかって急な死を迎えてしまうかも知れない。

そんなマイナス思考した出来なくなったオレをお前はどんな目で見るかな。

darling darling...
……ねぇ、本当に好きだった?


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リゼ