静かな夜
あ、ああ…今日の終わりを告げる鳥
今日も飛んでる
悲しいな、切ないな…。
まだ、まだ二人、話したい事が沢山あるのにな
ああ、嗚呼 今日はとても静かだね
君の呼吸、寝返りをうつ音、瞬きをする音さえもよく聞こえるよ
いいね この感じ
大好きよ、この静けさ 匂い 空 温度。
ねぇ君も何かを特別に感じない?
俺はね、夏が来る前の少し暑くて少し寒い空気が切なくて好きなんだ
ああ、ああ 明日も君は一緒にいてくれるだろうか?
こんなに静かな夜じゃあね、君が聞こえる
朝じゃ聞こえぬ声も今じゃ痛いほどに胸をつくよ
アア、ああ、嗚呼…小さな小さな産声こそが俺の愛した者
君は今も、隣で寝息。
俺は君の、隣で息を吸って吐いて 君を見つめているんだ
二人こうして並んで眠ればきっと心地良い夢が見れるはず
だからお休み
お休み君よ
俺の夢を見させて下さい。
ズレてる万丈目の布団を、肩までかけてやった
だって、まだ肌寒いから風を引いてしまうから
炎天下はいつ訪れるのかなぁ、二人に夏は来るのかなぁ…。
君の寝ている顔を見てたら、急に切なくなっちゃって涙が出た
冷たい頬に熱い涙が通ったせいで、頬が切れてしまいそうよ
何故だろう
止まらない、誰か教えて涙の止め方
こんなに静かな夜じゃあ、きっと私の鳴き声さえも無情に聞こえてしまうのねぇ…
「ん…ヨ、ハン…」
私はだれ?
ヨハン、私は…ヨハン…?
静けさが耳を塞いで圧迫されて破裂しそうね
助けて、誰か。
隣にいる君が助けてよ、今すぐ止めて
「………っ」
………君は誰?私は誰?
答えは…