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 大きな木々が、おだやかに葉っぱを躍らせていました。

 動物村は、今日も良いお天気です。

 いつものように、キリコは村中を見て回っていました。

 キリコは動物村の村長さんです。『背が一番高いので、村のすべてが見渡せるから』という理由で、子供ながらに、動物村の村長さんに大抜擢されてから、一体どれくらい経ったでしょうか?

 キリコは、責任ある立場に立てたことが嬉しくて、村長さんのお仕事を一生懸命していました。

 村の見回りは村長さんの役割のひとつで、キリコが毎日欠かさず行っていることなのです。

「今日も特に変わらないっキね」

 いつもどおりの穏やかな光景に安心すると、ごろんと横になって秋の空を眺めました。

 動物村にある、大きな大きな木々よりも、ずっとずっと高い青空に、うろこ雲の大群が気持ちよさそうに泳いでいます。

 いつの間にか、心地よいそよ風さんたちが、キリコの周りでお話し始めました。

 彼らはうわさ話が大好きなのです。やれ、あの町では何々が流行っているだとか、誰々がどうだとか、夢中でお話しています。

 キリコは横になりながら、しばらく黙ってそよ風さんたちのお話を聞いていましたが、その内、キリコにとって、とても興味深い話になりました。
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