(髑髏とハル)


ふわ。ハルを抱きしめたとき甘い香りがした、とてつもなく甘く、優しい香りが。ああ、今日はバレンタインだったな、なんて思いながら更にきつく彼女を抱きしめる。……柔らかい。ハルが来てくれて良かった、と言うとハルは柔らかく微笑んで、ハルもですよと言ってくれる。

「ハル……、もっと寄って?」
「はひ?こうですか?」

ちゅ。リップ音をたててハルの頬にキスを落とした。するとハルはかあああ、と耳まで林檎みたく真っ赤になった。ハルのそういうとこが可愛い、と囁くとハルは驚いて腰を抜かしてしまった。へにゃ、と床に座り込んだハルに手を差し延べるとハルは私の手は取らずに両手で自身の顔を隠してしまった。少し意地悪しちゃったかな、と思って心でごめんね、と呟く。それが果たして伝わったのかというと微妙なところだが、ハルは髑髏ちゃんは意地悪です、と言いつつ手を取ってくれた。そのハルの呟きに、そういうところが可愛いんだよと心の中で返事をした。

「ハルはバレンタイン、誰にあげるの?」
「何を今更!ハルは髑髏ちゃん以外にあげる人はいませんけど?」
「ふふ。だろうと思った」

ハルの手を見ると指先に絆創膏が貼ってあった、きっと湯煎でもするときに火傷したんだろうなあ。可愛いハートの柄の紙袋が視界に入った。そこからハルと同じチョコの香りがして、くれるとわかっていた(自信はあった)けどいざ目の前に差し出されると嬉しいものだ。

「はい!髑髏ちゃん。ハッピーバレンタイン!」
「ありがとうハル」
「これからも一緒に居ましょうね」
「もちろん、私がハルを離すわけない」



キズアトでさえ
(愛の印に変わるって知ってた?)


20090214

ハッピーバレンタイン!あなた以外に渡すチョコは無いわって言う感じの台詞を入れたかったがために書いた小説。
お粗末でした。

20090222

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リゼ