夢の欠片
時々思います。
君と本気で結婚して結ばれて一緒にいる所であたたかいキスを出来たらどれだけ幸せなのかなって…
四六時中考えます。
君の事を…。
だけど君はなんで僕の言葉、仕草、表情の変化をわからないまま
今だって怒っている事も知らずに…、
僕の頬を膨らましているのに
ねぇ聞いて
わがままを聞いて。
「ずっとそばにいてね、今だけでもいいから」
いつか君にそう言った時
真面目な顔をして言い返した
「“今だけ”なのか“ずっと”なのか…区別が付かない」
「とりあえず今…だけ…。」
抱きしめていて
笑ったままでいて
いつか淡い夢たちは崩れてしまう物
だから今だけは現実を見たくない、浮かれていたい…
下校途中に君の顔が突然変わった。
その変化に俺は気が付いた。
「用事があるからここで別れよう。」
「え…。」
「じゃあ、な」
走り去る。
ねぇ、この“じゃあ”はひとときの別れの為に用事された言葉なの?
それとも、ずっと…なの…?
こんなに君を愛してるのにいつでもおんなじくらいに怖くなる。
君は顔に感情が出やすい人だからなんだか俺はいつも振り回されて…
だけれど君は俺の事探せない…
だからいつも距離が離れて喧嘩する。
それならいっそ、サヨナラをしたら…。
だから、時々考えます。
あなたの事を、僕の悲しい夢を…
本当の弱い俺を知ったら君は離れて行くのかな、それとも強く抱きしめてくれるかな?
やっぱり君と俺は違う物体。
分かり合うのは無理なんだね…それなら
…それなら、サヨナラさえも愛して他の恋に生きようか。
夜になったら布団に入り、分厚い布団を掛けてフカフカな枕に頭を預けた。
だけどなんだか寝れなくて必死にもがいた
寝ないと朝に起きれない。
そんな時はアイツを想う。
君の事を思うと自然と涙が出てくるから。
そしたら瞳がいつしか疲れてしまって重い瞼を閉めれるから。
「…おやすみ」
夢を見てる。
最高で最悪な夢。君の夢。
君の優しい顔を見つめて何故だか泣きそうになるけど
それが、きっと戻れない“じゃあ”を聞いたせいなのか…嬉しくてなのか自分自身でわからなかった。
俺に背中を向けて走った君の大きい肩はきっと何かを目指してた。
俺には絶対入り込めない速さで時は全てを蹴散らした。
君が誰かを想う気持ちに、俺が君を想う気持ちは勝てないね…
だからか…、涙が出てくるのは
あまりに考え過ぎてしまった自分が恥ずかしくなる。
だけどやっぱり、時々思ってた。
結婚して結ばれて一緒にいる所であたたかいキスをする自分を。
妄想の中でしたあたたかいキスは幸せだった。
それは嘘じゃない。
君と話していた時に君の瞳を見つめていたのは、会話の途中もしっかり俺の言葉を聞いていてくれていたのか確認したかったから…
きっと、臆病過ぎたんだね。
「真田…昨日の“じゃあ”は…」
次の日に二人で下校。
その時に口から言葉が出て行った。
「え?」
「“ひととき”なのか、二人の今の不安定な関係に“ずっと”なのか…」
そしたら君はこう答えて…“とりあえず今…だけ…。”と…。
(2010/09/19)
戻る